記事公開日 :  2026/09/24

求人応募の返信メールテンプレートと適性検査の評価方法|辞退を防ぎ活躍人材を見極める採用戦略

求人応募の返信メールテンプレートと適性検査の評価方法|辞退を防ぎ活躍人材を見極める採用戦略

目次

優秀な人材の確保が益々困難となっている昨今の採用市場において、求人応募に対する「レスポンスの速さ」と、自社に合致した人材を見極める「適性評価の正確性」は、採用活動の成否を大きく左右する2大要因です。せっかく魅力的で意欲の高い求職者から応募があっても、返信が遅れれば他社へ流れてしまい、逆にいくら返信が早くても適性評価の精度が低ければ、採用後のミスマッチや早期離職を招いてしまいます。

本記事では、採用担当者が現場で即実践できる「求人応募受付・適性検査案内の実用メールテンプレート」を多数掲載するとともに、適性検査データを活用した評価分析や面接への落とし込み手法、ATS(採用管理システム)を用いたオペレーション自動化までを網羅的に解説します。選考辞退率に悩んでいる方や、ミスマッチのない採用体制を構築したい採用責任者の方は、ぜひ参考にしてください。

【1】採用選考における「返信スピード」と「適性評価」が重要な理由

現代の中途採用・新卒採用市場は、求職者優位の「売り手市場」が続いています。優秀な求職者ほど同時に複数社の選考を進めており、採用競合とのスピード勝負を強いられているのが実情です。同時に、企業と求職者のミスマッチを防ぐためには、感覚だけに頼らない定量的な適性評価の実施が不可欠です。まずは、なぜ「返信スピード」と「適性評価」の掛け合わせが重要な役割を果たすのか、その背景と本質的な理由を深掘りしていきましょう。

・1-1. 応募後・適性検査後の迅速な返信が内定辞退を防ぐ

求職者が企業にエントリーを行った直後は、その企業に対する興味関心や転職・就職意欲(熱量)が最も高まっている瞬間です。このタイミングで企業側からの返信が2日も3日も途絶えてしまうと、求職者の熱量は急速に低下します。「連絡が遅いということは、自分は優先度が低いのだろうか」「組織としての意思決定スピードが遅い会社なのかもしれない」といった不信感を抱かせる原因となりかねません。

特に適性検査を受験した後の連絡スピードも極めて重要です。求職者はテストの出来や結果に不安を感じながら連絡を待っています。他社が応募受付から面接設定までを数時間〜24時間以内に行っている中で、自社の対応が遅れれば、優秀な人材は真っ先に他社の面接予約を入れてしまい、最終的な辞退へと繋がってしまいます。選考辞退率を大幅に下げるための基本策は、応募後および適性検査受託後・受検完了後の「24時間以内のファーストアクション」を徹底することです。

・1-2. 求職者体験(CX)向上と企業ブランディングの相乗効果

近年、採用領域において「CX(Candidate Experience:求職者体験)」という概念が非常に重視されています。CXとは、求職者が求人を知り、応募し、選考を受け、入社(または不採用)に至るまでのすべてのタッチポイントで得る体験や感情の総和を指します。

迅速で丁寧なメール連絡、受験手順のわかりやすいガイダンス、誠意ある選考フィードバックなどは、すべて良好なCXの形成に寄与します。CXが高まると、選考通過率や内定承諾率が向上するだけでなく、たとえ不採用となった求職者であっても「丁寧に対応してくれた素晴らしい企業だった」という好印象を残すことができます。現代では、選考対応の悪さがSNSや口コミサイト(OpenWorkやライトハウスなど)に瞬時に投稿され、企業ブランドを棄損するリスクがあります。迅速かつ誠実な返信オペレーションは、最高峰の採用ブランディング施策そのものであると言えます。

・1-3. 適性検査を正しく選考プロセスに組み込む意義

返信の素早さと並んで重要なのが、適性検査を活用した客観的な選考プロセスの設計です。従来の面接だけに依存した採用選考には、面接官の「主観」「バイアス(第一印象や類似性効果)」「面接スキルのばらつき」といった課題が常に付きまといます。その結果、面接では好印象だったものの、入社後に期待通りのパフォーマンスが出なかったり、職場に馴染めず早期離職してしまったりする事例が後を絶ちません。

適性検査を選考プロセスに正しく組み込むことで、応募者の基本的な言語・論理的思考能力や、目に見えにくい性格特性、行動傾向、ストレス耐性などを数値化・構造化して把握できます。単に「落とすための足切り」として使うのではなく、面接で確認すべき懸念点を事前にあぶり出すための「ナビゲーションツール」として機能を拡大させることで、選考精度と効率性を飛躍的に高めることが可能になります。

【2】求人応募受付・適性検査の案内返信メール作成ルールとテンプレート

求職者との最初の接点となる「応募受付メール」や「適性検査の案内メール」は、企業の第一印象を決定づける極めて重要なビジネスコミュニケーションです。ここでは、採用担当者が日常業務でそのまま活用できる実践的なテンプレートと、作成時に押さえておくべきマナー・注意点を具体的に解説します。

・2-1. 【応募受付】ファーストコンタクトの返信テンプレート

応募受付メールの最大の目的は、「応募が無事に届いたこと」を伝え、求職者を安心させると同時に、今後の選考スケジュールやステップを提示して期待感を維持することです。応募を受信したら、可能な限り自動返信システム等を用いて即時に送信するか、遅くとも当日〜翌営業日以内には送信します。

【メールテンプレート:求人応募受付メール】

件名:【株式会社〇〇】ご応募ありがとうございます(選考のご案内)
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〇〇 〇〇 様(※求職者氏名)

株式会社〇〇 採用担当の〇〇でございます。
この度は、弊社の【〇〇職】にご応募いただき、誠にありがとうございます。

数ある企業の中から弊社にご興味をお持ちいただきましたことを、心より御礼申し上げます。

これより、いただきました応募書類をもとに、選考手続きを進めてまいります。
今後の選考の流れにつきましては、以下の通り予定しております。

■今後の選考ステップ
1. 書類選考(またはWeb適性検査)
2. 一次面接(オンラインまたは対面)
3. 最終面接
4. 内定

書類選考の結果につきましては、土・日・祝日を除く【〇営業日以内】に、
メールにてご連絡を差し上げます。

恐れ入りますが、今しばらくお待ちくださいますようお願い申し上げます。

※本メールにお心当たりがない場合は、お手数ですが下記お問合せ先までご連絡ください。
--------------------------------------------------
【問い合わせ先】
株式会社〇〇 採用チーム
住所:東京都〇〇区〇〇1-2-3
電話番号:03-XXXX-XXXX
メールアドレス:recruiting@example.com
--------------------------------------------------

・2-2. 【適性検査案内】Web適性検査の受験受託返信テンプレート

応募書類の確認後、あるいはエントリー直後に適性検査を受験してもらう場合は、受託用の専用URL、受検期限、所要時間、注意点を分かりやすく明記した案内メールを送付します。受検の手間がハードルとなり途中で離脱(受検辞退)してしまう求職者を減らすため、入力しやすく親切な構成を心がけましょう。

【メールテンプレート:適性検査の案内メール】

件名:【株式会社〇〇】Web適性検査ご受検のお願い(受検期限:〇月〇日)
--------------------------------------------------
〇〇 〇〇 様

株式会社〇〇 採用担当の〇〇です。
先日は弊社の求人にご応募いただき、誠にありがとうございました。

次の選考ステップとして、Web上での【適性検査】を実施いたします。
お手数ではございますが、下記概要をご確認のうえ、期日までに受検を完了していただけますようお願い申し上げます。

■ Web適性検査 概要
--------------------------------------------------
【受検用URL】https://example.com/assessment/login(※一人ひとりの固有URL)
【ログインID】XXXXXX
【受検期限】〇月〇日(〇)23:59まで
【所要時間】約40分〜60分(能力検査・性格検査)
【準備するもの】筆記用具、電卓(必要な場合)、安定した通信環境(PC推奨)
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■ 受検にあたっての留意事項
・静かな環境で、お時間にゆとりがある際にご受検ください。
・途中で回線が切断された場合、最初からのやり直しとなる場合がございますのでご注意ください。
・期限までのご受検が難しい場合は、事前の調整が可能ですので、お早めにご連絡ください。

受検完了が確認できましたら、〇営業日以内に次回面接のご案内を差し上げます。
〇〇様のご受検を心よりお待ちしております。
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・2-3. 返信メールで抑えるべき必須項目とマナー

求職者向けメールを作成・送付する際には、誤送信を防ぎ、必要な情報が確実に伝わるように次の必須項目とマナーを徹底する必要があります。

1. 一目で内容がわかる件名にする:件名には必ず「【会社名】要件」を入れることが基本です。求職者は多数の企業とやり取りをしているため、「【〇〇株式会社】一次面接日程調整のご案内」のように、受信トレイで一瞬で内容が理解できる件名を設定します。
2. 回答期限・目安日数を明記する:合否連絡がいつ頃来るのか分からない状態は求職者に強い不安を与えます。「〇営業日以内に結果をご連絡します」と期日を明記し、適性検査の受検依頼時は「〇月〇日(〇)23:59まで」と具体的な日時を指定します。
3. 個人情報の取り扱いと送信間違いの防止:一括送信の際にBCCではなくTOやCCで送信してしまうミスは深刻な情報漏洩事故となります。原則としてATS(採用管理システム)を利用するか、手動の場合はダブルチェックを厳格化することがマナーかつ義務です。

【3】適性検査結果を受けた「合格通知・面接案内」返信メールの書き方

書類選考や適性検査を通過した求職者に対する「合格通知・面接案内メール」は、単なる事務的な連絡ではありません。応募者の合格を祝福し、企業に対する志望度を高める(アトラクトする)重要なコミュニケーションの場です。円滑な日程調整と志望度の最大化を両立させるメールの書き方を解説します。

・3-1. 【適性合格】一次面接設定の案内返信テンプレート

適性検査の完了を確認したら、速やかに合格の旨を伝え、一次面接の予約・日程調整へと誘導します。オンライン面接と対面面接のいずれにも対応できるよう、形式を明確に提示することが大切です。

【メールテンプレート:適性検査通過・面接日程調整メール】

件名:【株式会社〇〇】適性検査ご受検のお礼と一次面接のご案内
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〇〇 〇〇 様

株式会社〇〇 採用担当の〇〇です。
この度は、お忙しい中Web適性検査をご受検いただき、誠にありがとうございました。

厳正なる審査の結果、ぜひ〇〇様と直接お話しさせていただきたく、
【一次面接】をご案内したく存じます。

つきましては、面接の実施にあたり、日程のご調整をお願いしたく存じます。
大変お手数ですが、下記の日程候補の中からご都合の良い日時を【3つ程度】お選びいただき、
本メールへご返信いただけますでしょうか。

■ 一次面接 実施概要
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【所要時間】約45分〜60分
【実施方法】オンライン(Zoomを使用予定)または対面(弊社本社)
※ご希望の形式がございましたら、返信時にお知らせください。
【面接官】採用担当者・現場マネージャー

【候補日程】
1. 〇月〇日(月)11:00〜19:00の間
2. 〇月〇日(火)13:00〜18:00の間
3. 〇月〇日(水)10:00〜17:00の間
※上記日程でのご都合が難しい場合は、ご調整可能な日時を複数ご提示ください。
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ご多忙のところ恐縮ですが、【〇月〇日(〇)18:00】までにご返信いただけますと幸いです。
〇〇様とお会いできますことを、心より楽しみにしております。
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・3-2. 面接実施日程調整をスムーズに進めるコツ

面接の日程調整でメールのやり取りが何度も往復してしまうと、求職者にストレスを与え、選考辞退の要因になります。スムーズな日程調整を実現するためのコツは以下の3点です。

1. 幅を持たせた候補日時の提示:「〇月〇日 14:00」とピンポイントで指定するのではなく、「〇月〇日 13:00〜18:00の間(所要時間1時間)」のように時間幅を持たせて提示することで、求職者が回答しやすくなります。
2. 日程調整ツールの導入:SpirやTimeRex、またはATSに標準搭載されている日程調整機能を活用すると、企業側のカレンダーとリアルタイムに同期した予約ページURLを提示するだけで、往復ゼロで面接設定が完了します。
3. オンライン面接の選択肢を提供:現職で忙しい求職者の離脱を防ぐため、一次面接は原則としてオンライン(Zoom、Google Meet等)で受け付ける姿勢を見せることが、日程確定までの時間を大幅に短縮します。

・3-3. 応募者の志望度を高めるフォローメールの工夫

単に面接の日時を決めるだけでなく、返信メールに一工夫加えることで求職者の志望度を一段引き上げることができます。

例えば、適性検査の受検や履歴書の内容に触れたパーソナライズメッセージを追加することです。「ご提出いただいた職務経歴書を拝見し、〇〇様の前職での〇〇プロジェクトのご実績に大変強い関心を持ちました」といった一言を添えるだけで、求職者は「定型文ではなく自分自身をしっかり評価してくれている」と感じ、企業への親近感と信用が一気に高まります。また、面接前に自社の社員インタビュー記事や会社紹介動画のリンクを同封しておくことも、企業理解を深めて志望度を高める有効な手法です。

【4】適性検査結果に基づく「お祈り(不採用)メール」の作成マナー

残念ながら選考基準に満たなかった応募者に対して送る「不採用通知(通称:お祈りメール)」も、合格通知以上に配慮とマナーが求められるプロセスです。適切な不採用メールの作成方法と、企業評判を守るための注意点を解説します。

・4-1. 【不採用通知】誠意が伝わる返信文面テンプレート

不採用通知では、時間を割いて応募や適性検査受検に対応してくれたことへの感謝を述べ、求職者の尊厳を傷つけないよう丁寧かつ礼儀正しく結果を伝える必要があります。

【メールテンプレート:不採用通知メール】

件名:【株式会社〇〇】選考結果のご連絡
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〇〇 〇〇 様

株式会社〇〇 採用担当の〇〇です。

この度は、弊社の【〇〇職】にご応募いただき、またお忙しい中
Web適性検査をご受検いただきまして、誠にありがとうございました。

ご提出いただきました書類および適性検査の結果をもとに社内で慎重に選考を行いました結果、
誠に断腸の思いではございますが、今回は採用を見送らせていただくこととなりました。

多数の素晴らしいご応募をいただいている中で、限られた採用枠での選考となりましたため、
ご希望に添えない結果となりましたことを、何卒ご了承いただけますようお願い申し上げます。

〇〇様からご提供いただきました個人情報および提出書類につきましては、
弊社責任のもと、適切に破棄・消去させていただきます。

末筆ではございますが、〇〇様の今後のご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます。
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・4-2. 企業の評判を守るサイレントお祈り回避の重要性

選考結果を連絡せず放置する「サイレントお祈り」は、企業の採用活動において最も避けるべき行為の一つです。「応募多数で連絡が追いつかない」「不採用者にわざわざ連絡するコストをかけたくない」といった企業側の都合でサイレントお祈りを放置すると、求職者に強い怒りや不信感を与えます。

現代では、SNSや口コミサイト上に「〇〇社は適性検査を受けさせた挙句、連絡を無視された」「不誠実な会社だ」といったネガティブな評判が即座に拡散されます。不採用となった求職者であっても、将来的に自社の顧客や取引先、あるいは数年後に再び応募してくれるキャリア採用候補者になる可能性があります。「サイレントお祈り」を排除し、全員に迅速かつ丁寧な結果通知を送ることは、企業のレピュテーション(評判)リスク管理の基本です。

・4-3. 角を立てずに不採用を伝える文面テクニック

適性検査の結果に基づいて不採用とする際、具体的なテストの点数や「性格検査の数値が悪かったため」といった直接的な理由を開示することは避けるのが一般的です。能力や人格を否定されたと捉えられ、無用なトラブルを生むリスクがあるためです。

文面上のテクニックとして、「〇〇様能力の問題ではなく、今回の募集要件(または現在の組織構成)とのマッチングを総合的に考慮した結果」という表現を用いることが有効です。求職者個人の価値を否定するのではなく、あくまで「今回の募集ポジションとの相性の問題」であることを強調することで、角を立てずに誠意を伝えることができます。

【5】求人応募者の「適性」を正確に見極める評価基準と分析モデル

返信オペレーションを整えるのと並行して、適性検査から得られるデータをどのように読み解き、自社に必要な人材像と照らし合わせるかという「評価ロジック」の構築が必要です。ここでは、適性検査データを採用判定に活かす具体的な分析手法を解説します。

・5-1. 能力検査と性格検査で得られるデータの読み解き方

主要な適性検査(SPI3、玉手箱、適性検査CUBIC、履修履歴対応テスト等)は、大きく分けて「能力検査」と「性格検査(行動特性)」の2つの軸でデータが出力されます。

1. 能力検査(言語・非言語など):職務を遂行する上で必要な基礎的思考力や処理能力を測定します。多くの場合、偏差値(SS値)や段階値(1〜9のスタナインスコアなど)で算出されます。職種ごとに必要な基準ライン(例:企画職は非言語SS55以上、一般事務はSS45以上など)を設定して活用します。
2. 性格検査(行動特性・心理的傾向):思考パターン、対人アプローチ、感情のコントロール、仕事への価値観などを多角的に測定します。ここでは「良い・悪い」という絶対評価ではなく、自社の組織風土や職務要件に「合う・合わない」という相対的な適合度でデータを読み解くことがポイントです。

・5-2. 自社で活躍する人材像(ハイパフォーマー分析)との照合方法

適性検査の評価精度を劇的に高める手法が「ハイパフォーマー分析(既存社員のモデリング)」です。全社の一括基準を適用するのではなく、自社で実際に高い成果を出している社員(ハイパフォーマー)と、伸び悩んでいる社員に事前に同じ適性検査を受検してもらいます。

その結果データを比較分析することで、「営業部門で活躍する人材は『主体性』と『ストレス耐性』の数値が極めて高い」「エンジニア部門では『論理的思考』と『規律性』が高い」といった自社固有の成功モデル(コンピテンシーモデル)が可視化されます。応募者の適性スコアをこの自社モデルと自動照合(ターゲットマッチング)させることで、自社で真に活躍できる人材を高い確率で見極めることが可能になります。

・5-3. 面接評価と適性検査結果の不一致(ギャップ)への対処法

採用現場でよく起こるのが、「適性検査のスコアは非常に高いのに、面接での印象が良くない」あるいは「面接では非常に好印象だったが、性格検査のストレス耐性スコアが著しく低い」といった不一致(ギャップ)の発生です。

不一致が発生した際、どちらか一方のみを信じて即座に合否を決めるのは危険です。面接での好印象が「表面的なコミュニケーション能力の高さ(面接慣れ)」によるものなのか、それとも適性検査の回答時に応募者が「良く見せようとして虚偽の回答(ライスケール/望ましい回答)」をしたのかを見極める必要があります。このギャップこそが、次項で解説する「面接での重点確認ポイント」となります。

【6】適性評価を活用した「面接質問」の設計テクニック

適性検査は単なる合格・不合格の選考ツールではなく、面接の質を高めるための「事前診断カルテ」です。適性検査で得られたデータを活用し、面接でより深い本質を見極めるための質問設計テクニックを伝授します。

・6-1. 適性検査の懸念点を深掘りする構造化面接のやり方

「構造化面接(Structured Interview)」とは、あらかじめ評価基準と質問項目を定めておき、すべての応募者に対して統一的な評価を行う面接手法です。ここに適性検査の結果を掛け合わせることで、確認精度が倍増します。

例えば、適性検査で「継続的行動力」や「粘り強さ」の数値が低く出た応募者に対しては、「これまでのキャリアの中で、成果が出るまで最も長期間にわたって取り組んだエピソードを教えてください。その際、途中で壁にぶつかった時どのようにモチベーションを維持しましたか?」といった具体的行動(BEI:行動事例面接)を深掘りする質問を設定します。過去の具体的な行動事実を確認することで、テスト結果の懸念が本当のリスクなのか、補填可能な領域なのかを精度高く検証できます。

・6-2. ストレス耐性やカルチャーフィットを確認する質問例

早期離職の主要因となる「ストレス耐性不足」や「企業のカルチャー(風土)とのミスマッチ」は、適性検査データと連動した質問によって見極めることができます。

【ストレス耐性を確認する質問例】
・「仕事で予期せぬトラブルや強いプレッシャーに直面した際、最初にどのような行動をとりますか?実際の経験談を教えてください。」
・「上司やクライアントから厳しい指摘を受けた際、気持ちをどのように切り替えていますか?」

【カルチャーフィット(企業理念・行動指針との適合)を確認する質問例】
・「自律駆動型の風土(またはチームワーク重視の風土)において、ご自身が過去に最も力を発揮できた環境と、逆に働きづらさを感じた環境を教えてください。」
・「当社のクレド(行動指針)の中で、最も共感できる項目とその理由は何ですか?」

・6-3. 応募者の「適性」を誤認しないための面接官共通ルーブリック

複数の面接官が選考に関わる場合、人によって評価基準がブレてしまうことが最大の課題です。これを防ぐために「ルーブリック(評価ルーブリックシート)」を全面接官で共有します。

例えば、「主観評価」を排除するために、「1点:自分の考えに固執し他者の意見を聞かない」「3点:指示された範囲で協調性を発揮できる」「5点:他者の意見を尊重しつつ全体の合意形成を主導できる」といったレベル別の具体的行動定義を明記しておきます。適性検査の数値結果とルーブリック評価を突き合わせることで、面接官の感情や個人的好みに左右されない客観的な合否判定が可能となります。

【7】求人返信オペレーションを効率化する採用CX・ATS活用戦略

ここまで解説した質の高いレスポンスと綿密な評価分析を、人手不足の採用現場で手作業で行い続けるのには限界があります。採用業務を劇的に効率化し、返信遅れをゼロにしながらCXを高める「ATS(採用管理システム)活用戦略」を解説します。

・7-1. 採用管理システム(ATS)による返信自動化のポイント

ATS(Applicant Tracking System)を導入・活用することで、求職者対応の大部分を自動化・標準化できます。

1. 自動返信トリガーの設定:各求人媒体や自社採用サイトからエントリーがあった瞬間に、求職者の名前を自動挿入した受託メールを即時自動送信します。
2. 適性検査URLの自動発行・送付連携:主要なATSは各種Web適性検査ツール(SPI3、HERP、HRMOS等)とAPI連携が可能です。書類選考通過のステータス変更を行うだけで、受検URLが記載されたメールが自動送信される仕組みを構築できます。
3. 面接日程調整の自動化:前述の通り、GoogleカレンダーやOutlookカレンダーと連携した予約リンクを自動添付することで、日程決定までの一連のやり取りを自動化できます。

・7-2. 返信遅れをゼロにする採用チームの動線設計

システム導入だけでなく、採用チーム内のオペレーション動線(業務フロー)を整理することも不可欠です。

具体的には、未対応案件のステータスを可視化する「ダッシュボード構築」と「アラート機能」の活用です。例えば、応募受信から12時間が経過しても未対応の案件がある場合、SlackやTeamsなどの社内チャットツールへ自動でアラート通知が飛ばせる仕組みを構築します。また、採用担当者の不在時にも対応できるよう、共通アドレスでの一元管理と、担当者ごとのバックアップ体制(Primary/Secondary担当の設定)をルール化しておくことで、特定個人の不在による返信遅れを完全に防ぐことができます。

・7-3. データに基づく返信率・辞退率改善のPDCAサイクル

採用オペレーションの最適化は一度設定して終わりではありません。定期的なデータ検証と改善(PDCA)が必要です。

ATS内のデータを抽出し、「応募からファースト連絡までの平均時間」「適性検査の受検完了率」「一次面接への移行率」「面接辞退率」を月単位・求人ごとにボトルネック分析します。もし「適性検査の受検率が低い」ことが判明した場合は、案内メールの文面を短縮したり、受検期限を延ばしたり、スマホ受検に対応したテスト形式に変更するといった改善策を講じます。データに基づいた継続的なアプローチこそが、採用競合に勝ち抜く強固な採用基盤を創り上げます。

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