Wantedly採用とは？共感で候補者を集めるための効果的な使い方

Wantedly採用は、企業のビジョンやカルチャーへの「共感」を軸に候補者を集める新しい採用手法です。従来の求人サイトとは異なり、給与や待遇といった条件面だけでなく、企業の想いや働く人の魅力を伝えることで、自社にフィットする人材との出会いを創出します。

この記事では、Wantedlyの効果的な使い方や料金プラン、成功のための運用テクニックから注意点までを網羅的に解説します。

企業の理念やビジョンをストーリーで深く伝えられる

Wantedlyの大きな特徴は、「ストーリー」というブログ機能を用いて企業の魅力を多角的に発信できる点です。募集要項だけでは伝わりにくい社員の働きがい、開発の裏側、企業文化などを具体的に伝えることで、候補者は企業のビジョンや事業への想いを深く理解できます。

これは単なる採用活動にとどまらず、企業のブランディングを高める広報活動としても機能します。候補者は企業のファンとなり、共感を抱いた上で選考に進むため、エンゲージメントの高い人材の採用につながります。

成果報酬なしで採用コストを抑えられる

Wantedlyの料金体系は月額または年額の定額制であり、採用が成功しても追加の成果報酬は発生しません。そのため、採用人数が増えるほど一人あたりの採用単価を大幅に抑えることが可能です。

従来の成果報酬型の人材紹介サービスでは、採用人数に比例してコストが増大しますが、Wantedlyではプラン料金内で何人でも採用できるため、採用計画が立てやすいというメリットがあります。特に、複数ポジションで同時に採用を進めたい企業や、継続的に人材を募集する企業にとって費用対効果の高いサービスです。

候補者とカジュアルなコミュニケーションが取れる

Wantedlyでは、本格的な選考に入る前に「話を聞きに行きたい」というボタンから、企業と候補者が気軽に接点を持てる「カジュアル面談」の文化が根付いています。これにより、採用担当者と候補者は、面接という堅苦しい場ではなく、リラックスした雰囲気でお互いのことを知ることができます。

候補者は企業のリアルな情報を得られ、企業側も候補者の人柄や価値観を深く理解できるため、相互理解の促進とミスマッチの防止に役立ちます。この仕組みが、より本質的なマッチングを実現させています。

SNSのように情報を拡散し潜在層へアプローチできる

WantedlyはSNSとしての側面も持っており、社員が自社の募集やストーリーを自身のフィードでシェアすることで、そのつながりを通じて情報が拡散されます。この仕組みにより、現在積極的に転職活動を行っていない「転職潜在層」にもアプローチが可能です。

社員のネットワークを通じて情報が届くため、信頼性が高く、候補者の興味を引きやすいという利点があります。魅力的なコンテンツを掲載し、社員の協力を得ながら情報を拡散させることで、従来の採用手法では出会えなかった優秀な人材にリーチする機会が生まれます。

3つの基本プランの料金と機能の違い

Wantedlyには主に「ライト」「ベーシック」「プレミアム」の3つの基本プランが用意されています。最も手頃なライトプランは募集記事の掲載が中心ですが、ベーシックプランになるとダイレクトスカウト機能が利用できるようになり、企業側から候補者へ能動的にアプローチできます。

最上位のプレミアムプランでは、さらに多くのスカウト送信数や専任のカスタマーサクセスによるサポートが付き、より戦略的な採用活動が可能です。採用目標人数やかけられるコスト、運用体制に応じて、募集掲載数やスカウト通数といった機能の違いを比較検討することが重要です。

採用ニーズに応じた最適なプラン選定のポイント

自社に最適なプランを選ぶ際は、まず採用目標人数と期間を明確にすることが重要です。多くの求人を同時に公開したい場合や、継続的に採用を行いたい場合は、募集枠数の多いプランが適しています。

一方で、特定の専門職など、市場に出にくい人材をピンポイントで狙いたい場合は、ダイレクトスカウト機能が充実したプランが効果的です。また、採用活動にどれだけのリソースを割けるかも考慮すべき点です。運用に不安がある場合は、手厚いサポートが受けられる上位プランを選択することで、スムーズな立ち上がりが期待できるでしょう。

採用目標を明確にしてターゲットに響く募集を作成する

採用を成功させる第一歩は、どのような人材を求めているのか、採用ターゲットを具体的に定義することです。スキルや経験だけでなく、価値観やカルチャーフィットの観点からペルソナを詳細に設定します。

その上で、ターゲットが魅力に感じるであろう仕事内容、挑戦できる環境、得られる成長などを募集記事に具体的に記述することが重要です。抽象的な言葉を避け、「この指とまれ」方式で自社が求める人物像を明確に打ち出すことで、共感した候補者からの質の高い応募を集めることができます。

「ストーリー」機能で会社のカルチャーや働く人の魅力を発信する

募集記事だけでは伝えきれない企業のリアルな魅力を発信するために、「ストーリー」機能を積極的に活用しましょう。社員インタビューを通じて働く人の声を紹介したり、プロジェクトの成功秘話や失敗談を共有したり、社内イベントの様子を伝えたりすることで、会社のカルチャーや雰囲気が候補者により深く伝わります。

これらのコンテンツは、企業の採用ページを補完する役割も果たし、候補者が企業への理解と共感を深めるための重要な情報源となります。定期的な発信は、企業の活気を示すことにもつながります。

全社員を巻き込んで採用活動を盛り上げる

Wantedly採用の効果を最大化するためには、人事担当だけの活動にせず、全社員を巻き込むことが極めて重要です。社員に自社の募集記事やストーリーをSNSでシェアしてもらうことで、情報拡散力を飛躍的に高めることができます。また、社員が自身の言葉で会社の魅力を語ることは、候補者にとって信頼性の高い情報となります。

採用は会社全体の未来を作る活動であるという意識を共有し、現場の社員にもカジュアル面談への同席を依頼するなど、採用担当と現場が一体となった活動を展開することが成功の鍵です。

定期的な情報更新で候補者の関心を引きつけ続ける

Wantedlyでは、情報の鮮度が候補者の関心を引く上で重要な要素となります。一度募集記事を公開したら終わりではなく、定期的にストーリーを投稿したり、募集内容をブラッシュアップしたりすることで、企業ページが常にアクティブな状態に保たれます。

新しいプロジェクトの始動、新しいメンバーの入社、新しい働き方の導入など、企業の最新動向を発信し続けることで、候補者はその企業の成長性や活気を感じ取ることができます。継続的な情報発信は、企業のファンを増やし、長期的な視点での母集団形成に貢献します。

高い返信率を狙えるスカウトメールの送り方

ダイレクトスカウト機能を使う際は、テンプレート文のまま送るのではなく、候補者一人ひとりに合わせたパーソナライズが返信率向上の鍵です。候補者のプロフィールや経歴を丁寧に読み込み、どの部分に魅力を感じたのか、自社のどのような点にマッチすると考えたのかを具体的に伝えましょう。

「あなたの〇〇というご経験は、弊社の△△という課題解決に活かせると感じました」のように、特別感を演出することが重要です。想いを込めたスカウトメールは、候補者の心に響き、カジュアル面談への承諾率を高めることにつながります。

募集要項に給与や待遇を明記できない

Wantedlyの最大の特徴であり、同時に注意点でもあるのが、募集要項に給与や福利厚生などの待遇を具体的に記載できないというルールですこれは、条件ではなく「企業の想い」によるマッチングを重視するプラットフォームの思想に基づいています。

そのため、給与条件を第一に考える候補者層へのアプローチは難しくなります。特に、待遇改善を主な転職理由とする中途採用市場においては、候補者が不安を感じないよう、選考プロセスの早い段階で条件面について丁寧にすり合わせを行う必要があります。

登録ユーザー層が自社の求める人材と合わない可能性

Wantedlyの登録ユーザーは、20代から30代の若手層が中心で、職種としてはIT・Web業界のエンジニアやデザイナー、マーケターなどが多くを占める傾向にあります。そのため、自社が求める人材の年齢層や職種がこの中心層と大きく異なる場合、十分な母集団を形成できない可能性があります。

例えば、管理職層や特定の専門技術を持つベテラン層、非IT系の職種などを探す際には、他の採用手法との併用を検討する必要があります。導入前に、自社の採用ターゲットとWantedlyのユーザー層が合致しているかを確認することが不可欠です。

成果を出すためには継続的な運用リソースが必要

Wantedlyは、募集記事を掲載して応募を待つだけの「待ち」の採用ツールではありません。ストーリーの定期的な更新、候補者へのダイレクトスカウト、応募者への迅速な対応、カジュアル面談の設定など、成果を出すためには能動的かつ継続的な運用活動が不可欠です。

これらの運用には相応の工数がかかるため、社内のリソース配分を事前に計画しておく必要があります。担当者を決め、週にどの程度の時間を運用に充てるのかを明確にしなければ、効果を実感できないまま時間だけが過ぎてしまうことになりかねません。