記事公開日 :  2025/06/09

いまや就活に必要なのは“SNS”!?最新トレンド「SNS採用」を解説

いまや就活に必要なのは“SNS”!?最新トレンド「SNS採用」を解説

近年、企業の採用活動において、SNS採用が重要な手法として注目されています。これは、多くの求職者が情報収集にSNSを活用しており、企業はSNSを通じて自社の魅力や働く環境をリアルに伝えることができるためです。最新の採用活動では、SNSの活用が欠かせない要素となっています。

SNS採用とは

SNS採用とは、企業がX(旧Twitter)、Instagram、LINE、TikTokなどのソーシャルメディアを活用して採用活動を行う手法です。従来の求人サイトや人材紹介サービスに加えて、企業公式アカウントや社員個人の投稿を通じて企業文化や職場の雰囲気を発信し、求職者との接点を増やすことを目的としています。

企業に注目される背景

企業がSNS採用に注目する背景には、主に二つの要因があります。一つは採用競争の激化です。少子高齢化による労働人口の減少に伴い、多くの企業で人材確保が難しくなっており、従来の採用手法だけでは必要な人材を確保できないケースが増えています。SNSを活用することで、より幅広い層にアプローチし、潜在的な候補者にも情報を届けられる可能性があります。もう一つは、求職者の情報収集行動の変化です。特に若年層を中心に、企業の公式情報だけでなく、SNSで発信されるリアルな情報や社員の日常に触れることを重視する傾向が強まっています。

SNS採用の可能性

SNS採用は、企業にとって多くの可能性を秘めています。まず、潜在層へのアプローチが可能になります。求人サイトなどでは積極的に仕事を探している顕在層へのアプローチが中心ですが、日常的に多くの人が利用するSNSでは、まだ転職や就職を具体的に考えていない潜在層にも企業の存在や魅力を伝えられます。また、企業の日常や働く人の様子をリアルに発信することで、求職者は入社後のイメージを具体的に掴みやすくなり、採用後のミスマッチを防ぐ効果が期待できます。さらに、SNSは企業文化や風土を伝える上で有効なツールであるため、企業のブランディング向上にも貢献します。

採用活動におけるSNSのメリット

SNS採用のメリットは多岐にわたります。まず、比較的低コストで始められる点が挙げられます。無料でアカウントを開設し、情報発信ができるため、従来の求人広告費を抑えられる可能性があります。次に、情報の拡散力が高いことです。SNSのシェア機能などを活用することで、短期間で多くの求職者に情報を届けられます。特にX(旧Twitter)のような拡散性の高いプラットフォームでは、効果的な情報発信によって予想以上のリーチを獲得できることがあります。また、企業と求職者が直接コミュニケーションを取れる点も大きなメリットです。コメントやダイレクトメッセージを通じて質問に答えたり、企業の雰囲気を感じてもらうことで、求職者のエンゲージメントを高められます。


SNS採用でよくあるお悩み

SNS採用には多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットや課題も存在します。これらの課題を理解し、対策を講じることがSNS採用を成功させるためには重要です。

運用に手間と時間がかかる

SNS運用を持続的に行うには、手間と時間がかかることがデメリットとして挙げられます。ターゲットに響くコンテンツの企画・作成、日々の投稿、コメントやメッセージへの対応など、運用担当者の負担は少なくありません。特に中小企業など、専任の担当者を配置することが難しい場合は、他の業務と兼任することになり、十分な時間を確保できない可能性があります。また、効果測定や改善策の検討にも時間を要するため、継続的な運用体制の構築が重要になります。

需要のある内容がわからない

どのようなコンテンツが求職者に求められているのか、その需要を把握することが難しいと感じる企業は少なくありません。企業の伝えたい情報と、求職者が知りたい情報が必ずしも一致するとは限らないため、一方的な情報発信にならないよう工夫が必要です。ターゲット層のニーズや関心を分析し、それに合わせたコンテンツを企画する必要がありますが、これにはある程度の試行錯誤が伴います。特に、企業の日常や働く人のリアルな姿を効果的に伝えるコンテンツ作成には、企画力や表現力が求められます。

すぐに効果が出にくい

SNS採用は、始めてすぐに目に見える効果が出にくい場合があります。特にフォロワー数が少ない運用初期段階では、情報が多くの人に届きにくいため、応募者数の増加といった直接的な採用成果に結びつくまでには時間がかかる傾向があります。SNS採用は、企業の認知度向上やブランディング、求職者との関係構築といった中長期的な視点での運用が重要になります。短期的な採用目標の達成を目指す場合は、他の採用手法と組み合わせるなどの検討が必要です。

炎上リスクなどのデメリットがある

SNS運用には、炎上リスクが常に伴います。不適切な情報発信や、不用意なやり取りがインターネット上で拡散され、企業の評判を著しく損なう可能性があります。特に採用活動においては、企業のイメージが求職者の応募意欲に直結するため、炎上は大きなデメリットとなります。このリスクを軽減するためには、事前に明確な運用ポリシーを定め、投稿内容の複数人によるチェック体制を構築することが不可欠です。また、万が一炎上した場合の対応マニュアルを作成しておくことも重要です。

採用に強いSNSは?

採用活動に活用できるSNSは多岐にわたりますが、それぞれ特徴や得意とするターゲット層が異なります。企業の採用戦略やターゲットとする求職者層に合わせて、適切なSNSを選択し、効果的なSNS運用を行うことが重要です。

X(旧Twitter)

X(旧Twitter)は、リアルタイム性と高い拡散力が特徴のSNSです。10代から30代を中心に幅広い層に利用されており、特に最新のトレンドや速報性の高い情報の収集に強みがあります。採用活動においては、イベント告知や企業ニュースの迅速な発信、ハッシュタグを活用した特定のターゲット層へのアプローチなどが有効です。テレビ東京や読売新聞社、DeNAなどが採用活動にXを活用しており、社員の日常や舞台裏を発信することで共感を呼んだり、技術系イベントの告知で専門人材にアプローチしたりといった事例があります。

Instagram

Instagramは、写真や動画といったビジュアルコンテンツを中心としたSNSで、特に10代から20代の若い世代に人気があります。視覚的に企業の雰囲気や文化を伝えやすいため、社風や働く環境を重視する求職者へのアピールに有効です。フィード投稿、ストーリーズ、リールなど多様な形式で発信でき、社員インタビューやオフィスの様子などを魅力的に伝えることができます。ユニリーバ・ジャパンやゲンキー株式会社などがInstagramを採用活動に活用し、社員紹介や社内イベントの様子を発信する事例が見られます。

Facebook

Facebookは実名登録制のSNSで、30代以上のビジネスパーソンの利用が多い傾向にあります。比較的長文での投稿も可能で、企業に関する詳細な情報やブログ記事などを共有するのに適しています。ビジネスネットワーキングの側面も持ち合わせており、リファラル採用との親和性も高いとされています。ノアインドアステージやソフトバンクなどがFacebookを採用活動に活用しており、企業ページでの情報発信や社員の紹介などを行っています。

LinkedIn

LinkedInはビジネスに特化したSNSで、職務経歴やスキルなどを詳細に登録するプロフィール機能があります。採用活動との親和性が非常に高く、企業ページの作成や求人情報の掲載、さらに求職者へのダイレクトスカウト機能も利用できます。特に中途採用や専門性の高い職種、グローバル人材の採用において強力なツールとなります。メルカリやエクスペディアホールディングス、パナソニックなどがLinkedInを活用しており、優秀な人材への直接的なアプローチや海外人材採用に成果を上げています。

LINE

LINEは国内で非常に多くのユーザーを持つコミュニケーションアプリで、幅広い世代が日常的に利用しています。企業はLINE公式アカウントを通じて、友だち登録した求職者に対して個別にメッセージを送ったり、説明会や選考に関する情報を一斉配信したりすることが可能です。求職者との距離を縮め、親近感を持ってもらいやすい点が特徴です。ニトリやキーワードマーケティングなどがLINEを採用活動に活用しており、説明会参加者への情報提供や個別連絡に役立てています。

YouTube

YouTubeは動画共有プラットフォームで、多くのユーザーが利用しており、特に若年層の間で影響力が大きいです。企業の雰囲気を映像で効果的に伝えられるため、会社紹介動画や社員インタビュー、オフィスのツアー動画など、リッチなコンテンツを発信するのに適しています。文章や画像だけでは伝わりにくい企業の魅力や働く人のリアルな姿を伝えることで、求職者の理解を深められます。DMMグループやサイバーエージェント、BANDAIなどがYouTubeを採用活動に活用し、企業文化や仕事内容を詳しく紹介する動画コンテンツを公開しています。

TikTok

TikTokは短尺動画が中心のSNSで、特に10代から20代の若年層に絶大な人気があります。ユーモアのある動画やトレンドを取り入れたコンテンツが拡散されやすく、企業の認知度向上や若年層へのアプローチに効果的です。企業の日常や社員のユニークな一面を見せる動画は、親しみやすさを演出し、企業の雰囲気を伝える上で有効です。大京警備保障や三陽工業、三和交通などがTikTokを採用活動に活用しており、短い動画で企業の魅力を発信する事例があります。


採用目的別の運用タイプ

SNS採用の運用は、企業がどのような目的でSNSを活用したいかによって、いくつかのタイプに分けられます。それぞれのタイプには異なる特徴があり、ターゲットとする求職者層や伝えたいメッセージに合わせて選択することが重要です。主な運用タイプとして、「バズ型」「理解促進型」「日常型」などが挙げられます。

バズ型

バズ型は、主に短尺動画などを活用し、多くのユーザーの目に留まるような面白さやインパクトのあるコンテンツで「バズ」を狙う運用スタイルです。企業の認知度向上や、これまでリーチできなかった潜在層へのアプローチに効果が期待できます。企業に興味がなかった層もコンテンツをきっかけに関心を持つ可能性がありますが、一方でコンテンツの内容によっては企業ブランディングを損なうリスクや、ネタ的な要素が先行してしまい入社後のミスマッチにつながる懸念もあります。認知獲得の初期段階で有効な手法と言えるでしょう。

理解促進型

理解促進型は、写真やテキスト、動画などを活用して、企業の魅力や特徴、事業内容などを分かりやすく丁寧に伝える運用スタイルです。企業の理念や文化、仕事のやりがいなどを具体的に発信することで、求職者の企業に対する理解を深め、応募意欲を高めることを目的とします。求める人物像に合わせた情報を提供することで、入社後のミスマッチを防ぐ効果も期待できます。ただし、会社のことを全く知らない層への認知拡大には繋がりにくい側面があります。

日常型

日常型は、社員の働く様子やオフィスの雰囲気、社内イベントなど、企業のリアルな日常風景を中心に発信する運用スタイルです。テキストだけでなく、写真や動画を効果的に活用することで、求職者は職場の雰囲気をより具体的にイメージできます。働いている人の顔や職場の様子を見ることで、親近感や安心感を与え、応募へのハードルを下げる効果が期待できます。この運用は、特に学生などの若い世代が企業のリアルな情報を重視する傾向にあるため、新卒採用において有効な手法の一つと言えます。

まとめ

本記事では、いまや採用活動に不可欠となりつつあるSNS採用について、その定義や企業が注目する背景、メリット・デメリット、そして主要なSNSごとの特徴や活用事例、さらに採用目的別の運用タイプについて解説しました。SNS採用は、採用競争が激化し、求職者の情報収集行動が変化する現代において、企業が潜在層を含む幅広い層にアプローチし、自社の魅力やリアルな情報を効果的に伝えるための有効な手段です。各SNSにはそれぞれ得意なことや主要なユーザー層が異なるため、企業の採用戦略やターゲットに合わせて最適なプラットフォームを選び、継続的に運用することが成功の鍵となります。運用には手間や時間がかかり、炎上リスクなどの注意点もありますが、適切に活用することで、採用活動の成果向上やブランディング強化に繋がる可能性を秘めています。

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