
クレヨンしんちゃんに学ぶ、人間関係と仕事のリアル
記事公開日 : 2026/09/10
記事公開日 : 2026/09/12
「今週は仕事を頑張ったら、週末は推しのライブ!」
「推しの新曲が出るから、それまで頑張ろう」
そんなふうに、好きなものをモチベーションにして仕事を頑張った経験がある人は、少なくないのではないでしょうか。
アイドルやアニメ、ゲーム、スポーツ選手、俳優、キャラクターなど、いわゆる「推し」の存在は、今や単なる趣味のひとつではありません。
仕事を頑張る理由になったり、日々の生活にメリハリをつくったり、ときには「この会社で働きたい」という気持ちにまで影響したりします。
では、なぜ「推し」がいると仕事を頑張れるのでしょうか。
そして、この「好き」という感情は、企業の採用活動にも活かせるのでしょうか。
今回は、「推し」と仕事の関係から、これからの採用に必要な「好き」の力について考えてみます。
目次
「仕事自体が楽しいわけではないけれど、推しのためなら頑張れる」。
こうした感覚は、一見すると少し不思議に思えるかもしれません。
しかし、考えてみると「仕事を頑張る理由」は、必ずしも仕事そのものだけではありません。
給料をもらって好きなものを買う。
休日に旅行へ行く。
友人と遊ぶ。
趣味にお金を使う。
将来の目標に近づく。
こうした「仕事の先にある楽しみ」が、働くモチベーションになることは珍しくありません。
その中でも「推し」は、かなり強力な存在です。
なぜなら、推しには「楽しみ」だけではなく、「応援したい」「会いたい」「成長を見届けたい」といった感情が伴うからです。
「次のライブまで頑張ろう」
「新しいグッズを買うために今月も頑張ろう」
「推しが頑張っているから、自分も頑張ろう」
このように、推しの存在が日々の行動を後押ししてくれることがあります。
つまり「推し」は、仕事そのものを好きにさせるわけではなくても、仕事を頑張るための“理由”をつくってくれる存在なのです。
仕事を頑張る理由は、仕事そのものへのやりがいだけではありません。
「仕事を頑張ったら、好きなことができる」。
そんなシンプルな仕組みでも、人は前向きに仕事へ向き合うことができます。
だからこそ、仕事とプライベートを切り離して考えるのではなく、「自分の好きなことを楽しむために働く」という考え方も大切なのかもしれません。
では、なぜ「推し」の存在は、ここまで仕事へのモチベーションにつながるのでしょうか。
大きな理由のひとつが、「楽しみを未来に置けること」です。
仕事をしていると、毎日が楽しいことばかりとは限りません。
忙しい日もあれば、失敗する日もあります。
上司に怒られたり、思うように成果が出なかったり、「今日は仕事に行きたくない」と思う日もあるでしょう。
そんなときに、
「あと3日頑張ればライブがある」
「給料日になったら推しのグッズを買おう」
「この仕事を頑張って、推しのイベントに行こう」
という具体的な楽しみがあると、目の前の仕事を乗り越える理由になります。
これは、仕事そのものへのモチベーションとは少し違います。
「仕事を頑張ることで、好きなことを楽しめる」
という構造です。
そして、ここにはもうひとつ重要なポイントがあります。
それが「自分で選んだ好き」です。
会社から与えられた目標ではなく、自分自身が「好き」と思っているものだからこそ、行動するエネルギーが生まれやすい。
「会社のために頑張ろう」と言われるより、
「自分の好きなことのために頑張ろう」
と思えるほうが、自然に行動できる人も多いのではないでしょうか。
ここで採用について考えてみましょう。
企業が求人を出すとき、給与や休日、福利厚生、勤務地などの「条件」は非常に重要です。
「月給30万円以上」
「年間休日120日以上」
「残業少なめ」
「土日祝休み」
こうした情報は、求職者が会社を比較するときの重要な判断材料になります。
しかし、条件だけですべてが決まるわけではありません。
同じような給与、同じような休日数の会社が複数あったとしたら、最後に何が決め手になるのでしょうか。
そこで重要になるのが、「なんとなく、この会社好きかも」という感情です。
仕事内容に興味を持った。
社員の雰囲気が良さそうだった。
SNSを見ていて楽しそうだと思った。
会社の考え方に共感した。
働いている人が魅力的に見えた。
こうした「条件では説明しきれない感覚」が、企業選びでは意外と大きな役割を果たします。
これは、「推し」にハマる感覚とも少し似ています。
最初からすべての情報を調べて、「この人を好きになろう」と思って推すわけではありません。
たまたまSNSで見かけた。
動画を見て気になった。
その人の考え方に共感した。
気づいたら毎回チェックするようになっていた。
そして、いつの間にか「好き」になっている。
企業との出会いも、これに近づいているのかもしれません。
これからの採用では、「応募してください」と伝えるだけではなく、「この会社、なんか好き」と思ってもらうことが重要になっていくでしょう。
そこで活用できるのが、企業SNSです。
求人サイトでは、どうしても給与や休日、仕事内容などの情報が中心になります。
もちろん、それらは必要な情報です。
しかし、それだけでは「その会社で働いている自分」をイメージするのは難しいかもしれません。
一方、SNSでは社員の様子や社内イベント、仕事風景、会社の日常など、求人票には載せにくい情報を発信できます。
例えば、
「今日のランチは社員みんなで○○へ」
「新入社員の1日に密着」
「社長に突然インタビューしてみた」
「営業社員のカバンの中身を見せてもらった」
といった投稿があれば、会社の雰囲気が少しずつ伝わってきます。
最初は「面白そうな会社だな」程度だったとしても、何度も投稿を見ているうちに、
「この会社、楽しそう」
「この人たちと働いてみたい」
「なんか雰囲気が好き」
という感情が生まれる可能性があります。
これは、まさに「推し」が生まれる過程と似ています。
「好きなことを大切にする」という考え方を、実際の制度として取り入れている会社もあります。
例えば、株式会社リソースクリエイションには「エンタメ制度」という制度があります。
この制度では、平日でも好きなアーティストのライブに行けるという仕組みを取り入れています。
ライブは休日に開催されるとは限りません。
「どうしても行きたいライブが平日にある。でも仕事があるから諦めるしかない……」
そんな経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか。
エンタメ制度では、ライブの開演時間に合わせて、開演時間の2時間前に業務を終えてライブへ行くことができます。
つまり、
「好きなことを楽しむために、仕事を犠牲にする」
のではなく、
「仕事も頑張る。好きなことも楽しむ」
という選択肢をつくる制度です。
これは、先ほど紹介した「推しがいるから仕事を頑張れる」という話ともつながっています。
仕事を頑張った先に楽しみがある。
そして、その楽しみを会社側も応援してくれる。
「ライブがあるから早く帰りたい」という気持ちを、単純に「仕事より趣味を優先している」と捉えるのではなく、社員にとって大切な時間として尊重する。
こうした環境があれば、「好きなことを大切にしながら働ける」という安心感にもつながります。
「推しがいるから仕事を頑張れる」。
この話を採用につなげて考えると、企業側にもひとつのヒントがあります。
それは、人は「好き」という感情によって動くことがあるということです。
もちろん、採用では給与や休日、仕事内容などの条件が重要です。
しかし、それだけでは会社同士の比較になってしまいます。
「この会社じゃなきゃ嫌だ」
「この会社で働いてみたい」
と思ってもらうためには、条件以外の魅力も必要です。
そして、その魅力を伝える方法のひとつがSNSです。
社員の人柄。
会社の空気。
仕事への想い。
ちょっとした日常。
社員が好きなもの。
会社が社員の「好き」をどう扱っているのか。
そうした情報を発信していくことで、企業そのものに親近感を持ってもらう。
そして、
「この会社、なんか好き」
という感情が生まれる。
その「好き」が、いつか、
「ここで働いてみたい」
という気持ちに変わるかもしれません。
採用とは、ただ条件の合う人を探すことではありません。
これからの採用では、「一緒に働きたい」と思ってもらえる関係を、応募前からつくっておくことが重要になっていくのではないでしょうか。
「推し」が人を動かすように、企業にも「応援したくなる」「好きになれる」魅力が必要なのかもしれません。
そして、その「好き」を大切にしてくれる会社であれば、働くことはもっと前向きなものになるはずです。
仕事のために好きなことを諦めるのではなく、好きなことも楽しみながら仕事を頑張る。
そんな働き方を応援する企業が増えていけば、採用のあり方も少しずつ変わっていくのではないでしょうか。


記事公開日 : 2026/09/10

記事公開日 : 2026/09/09
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