
Z世代に選ばれる会社になるための採用ブランディング戦略|進め方と成功事例
記事公開日 : 2025/11/17
最終更新日 : 2025/11/07
記事公開日 : 2025/11/06
最終更新日 : 2025/11/07
新卒採用において、インターンシップは“採用の起点”としての役割を強めています。
ナビサイト経由の母集団形成が難しくなる中で、学生と早期接点を持ち、企業理解を深めてもらうための手段として多くの企業が注力しています。
一方で、「応募は集まるが本選考に進まない」「学生の満足度が低い」「リピーターが生まれない」といった課題も少なくありません。
学生の心を動かすには、企業説明を超えた“体験設計”が必要です。
本記事では、最新の学生が選ぶ人気インターンシップ企業ランキングをもとに、学生に選ばれるプログラムの特徴や、自社の採用戦略に活かすための具体的な設計ポイントを解説します。
26卒学生を対象とした調査では、ニトリ、NTTデータ、アクセンチュア、伊藤忠テクノソリューションズなどが上位に入りました。
いずれも「実践的な体験」や「社員との接点の多さ」を強みとしており、単なる企業紹介にとどまらない“参加価値”が高く評価されています。
・IT・コンサル業界:DX・課題解決型プログラムが主流。論理的思考・課題分析を重視する層に人気。
・メーカー業界:研究・製造・商品開発の体験プログラムで理系学生に支持。
・ベンチャー業界:新規事業立案・長期有給インターンを通じて“即戦力型”学生を惹きつける。
学生が企業に求めているのは「自分が成長できる環境」であり、“企業規模よりも体験の質”を重視する傾向が明確に見えます。
つまり、採用担当者が注目すべきは“人気企業が何を伝えているか”ではなく、“学生に何を体験させているか”です。
人気企業に共通するのは、次の3要素です。どれも「学生体験価値」と「採用成果」を両立させる設計思想に基づいています。
学生が「仕事のリアリティを体感できた」と答える企業ほど、志望度上昇率が高い傾向にあります。
たとえばNTTデータのインターンでは、実際の案件を想定したシステム企画を行い、チームでプレゼンを実施。社員が実務の流れを逐一説明しながら進行するため、“働く自分を想像できる”構成になっています。
このリアリティが、学生のエンゲージメントを高め、早期選考への参加意欲につながります。
企業側にとっても、コミュニケーション能力・課題発見力などの“職務適性”を見極めやすく、選考データとして活用可能です。
学生は「社員から具体的なコメントをもらえたか」を非常に重視しています。
人気企業では、メンター制や1on1フィードバックを導入し、学生が“自分の強み・弱みを理解して帰る”体験を設計しています。
たとえばアクセンチュアでは、ワーク終了後に社員が成果物への評価コメントを共有し、今後の課題を一緒に整理するセッションを設けています。
このプロセスが「成長支援型インターン」として学生の記憶に残り、選考段階での志望理由の説得力を高めます。
また、社員にとっても若手の育成スキルを磨く機会となり、社内教育施策としての副次的効果も期待できます。
インターン参加後の動線設計は、採用成果を左右する最重要ポイントです。
人気企業は「体験→理解→共感→志望→選考」の流れを可視化しています。
たとえば以下のような導線を持つ企業が増えています:
このように、体験を単発で終わらせず本選考・承諾率向上までを設計する“採用ファネル”が成功企業の共通構造です。
ここでは人気企業の成功パターンを分析し、各タイプの「目的」「得られる効果」「導入時のポイント」を整理します。
▼設計目的
・学生の創造力・課題解決力・チームマネジメント能力を評価する
・経営視点を育むことで、企業理念への共感を深める
▼実施内容
・学生を複数チームに分け、実在の社会課題または自社事業テーマを提示。
・チームで新サービスや新規事業を企画・検証し、最終日に役員や現場責任者へプレゼンを行う形式が主流です。
・プログラム中は社員メンターが伴走し、戦略立案や収益構造などの観点から助言を行います。
▼成功事例
・伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)では、AI・DX領域での新規事業をテーマに、学生が社会課題に対して解決策を提案。
・役員層が審査を行う「ピッチ形式」で、実際に提案が社内で検討されるケースもあるなど、学生の満足度と志望度が非常に高いプログラムです。
▼得られる効果
・高い成長意欲・挑戦志向を持つ学生を抽出できる
・プレゼン・論理的思考力の可視化により選考精度が向上
・“経営者視点を持つ若手”として内定後の早期戦力化が期待できる
▼導入のコツ
・テーマ設定は「社会的意義 × 自社事業の文脈」を意識(例:エネルギー×テクノロジー)
・1〜2日の短期開催でも、事業構想→発表→講評までのストーリー設計を重視する
▼設計目的
・学生に“自社社員として働くイメージ”を具体的に持たせる
・職種理解を深め、ミスマッチによる早期離職を防ぐ
▼実施内容
・学生が実際の社員に同行し、商談、会議、現場業務などを間近で体験。
・単なる見学ではなく、会議資料の事前共有やロールプレイを行うなど、“能動的に参加する設計”が重要です。
▼成功事例
・ソニーグループでは、研究職志望の学生を対象に、現場のプロジェクト進行会議や実験工程への立ち会いを実施。
・「職場のリアルさ」と「社員の熱量」を体感できるプログラムとして評価が高く、参加後の志望度上昇率が60%を超えるとされています。
▼得られる効果
・職場環境・人間関係の理解促進
・学生から「思っていたより働きやすそう」というポジティブイメージが形成される
・採用後の定着率・組織エンゲージメントが向上
▼導入のコツ
・「同行社員の選定」が最重要。中堅〜若手で、学生との距離感が近い人材を配置する
・体験後に座談会や振り返り時間を設け、“気づきの言語化”を促すことで満足度が倍増
▼設計目的
・夏期(大学3年生の6〜8月)に早期母集団を形成
・「キャリア支援型企業」としての信頼感を獲得
▼実施内容
・学生が自己理解を深めるためのワークショップや性格分析、価値観整理を行う。
・キャリアアドバイザーや若手社員が参加し、学生一人ひとりのキャリアビジョン構築を支援します。
・最終的に「自分が成長できる環境とは何か?」を明確にするのがゴールです。
▼成功事例
・大手IT企業では「未来のキャリアを描く1dayワーク」を開催。
・学生の自己分析を支援しながら、自然な流れで自社の事業・職種説明へつなげる構成により、夏以降のエントリー率が前年比130%に増加しました。
▼得られる効果
・採用活動初期段階で学生のロイヤリティを醸成
・「学生目線に立つ企業」としてSNS口コミ・ブランディング効果が高い
・採用広報・リード獲得施策としても有効
▼導入のコツ
・自社アピールを前面に出さず、“学生の成長支援”を主軸に据える
・ワーク終了後に個別フィードバックを行うことで、学生の記憶に残る体験になる
▼設計目的
・ビジネススキル・課題解決力を客観的に評価
・チームで成果を出す協働力・リーダーシップを可視化
▼実施内容
・企業の実在する課題(例:新規市場の参入戦略、サービス改善提案)を提示し、学生チームが現状分析→仮説構築→提案を行う。
・最後に役員・現場社員が講評を行うスタイルが一般的です。
▼成功事例
・アクセンチュアでは、実案件をベースにした「クライアント課題ワーク」を導入。
・実務に即したディスカッションを通じて、学生の論理構成力・ファシリテーション力を評価しています。
・参加学生のうち約4割が早期選考ルートに進むなど、採用成果直結型のプログラムとして効果を上げています。
▼得られる効果
・学生のスキルを可視化し、面接前段階での“予選選考”が可能
・高評価学生を即座にリスト化・選考へ誘導できる
・プログラム自体がブランディングコンテンツとなり、採用広報にも活用可能
▼導入のコツ
・テーマは「企業戦略と社会的意義の両立」を意識する
・成果発表をプレゼン形式にすることで、アウトプット力の評価精度が高まる
▼設計目的
・優秀学生の早期囲い込みと実務育成を同時に実現
・社員との関係構築を通じて“入社前エンゲージメント”を高める
▼実施内容
・3〜6ヶ月以上の期間で、学生をチームの一員として受け入れる。
・単なる作業補助ではなく、企画・データ分析・営業サポートなどの責任ある業務を任せ、給与を支給。
・実務評価に基づき、選考優遇や内定直結を行う企業も多いです。
▼成功事例
・レバレジーズでは、マーケティング・エンジニア職の長期インターンを体系化。
・社員同等の成果目標を設定し、達成度に応じた評価制度を導入しています。
・結果として、長期インターン出身者の内定承諾率は通常ルートの1.8倍に上昇しました。
▼得られる効果
・即戦力候補の発掘・実践的スキル育成
・学生との長期的な信頼関係構築による辞退防止
・社員の育成力・マネジメント力強化という副次的メリット
▼導入のコツ
・募集段階で「給与・担当業務・成長支援」を明記し、魅力的なポジションとして訴求
・定期的な面談・評価を行い、“社員と同じ目線で働ける環境”を整える
・成果物を可視化し、採用広報(SNS・採用ページ)で発信することで好循環を作る
これら5つのタイプはいずれも「学生が主役になれる体験構造」を持っています。
単発のイベントではなく、“体験 → 学び → 成長実感 → 採用接続”というストーリーを描くことで、学生の満足度・志望度・採用成果のすべてを高い水準で両立できます。

記事公開日 : 2025/11/17
最終更新日 : 2025/11/07

記事公開日 : 2025/11/14
最終更新日 : 2025/11/07
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