
Z世代が重視する「タイパ」とは?採用選考プロセスに取り入れるべき3つの改善点
記事公開日 : 2026/02/13
最終更新日 : 2026/02/13
記事公開日 : 2026/02/11
最終更新日 : 2026/02/13
Z世代は、独自の価値観や消費行動、働き方を持つ若者世代として注目されています。彼らの特性を理解することは、採用活動や組織の活性化に不可欠です。
この記事では、Z世代の基本的な定義から、彼らの持つ10個の特徴、そしてその魅力や強みを引き出すためのコミュニケーション術までを解説します。人事担当者が知っておきたい、Z世代の考え方を深く探っていきます。
Z世代とは、一般的に1990年代半ばから2010年代序盤に生まれた世代を指す言葉で、ジェネレーションZとも呼ばれる層です。
生まれたときからインターネットやスマートフォンが身近にあるデジタルネイティブであり、その価値観は上の世代とは大きく異なります。日本だけでなくアメリカなど世界共通の世代区分として用いられており、現在の年齢は10代前半から20代後半にあたります。
Z世代の明確な定義は調査機関によって異なりますが、一般的には1990年代半ばから2010年代序盤生まれを指します。例えば、アメリカのピュー・リサーチ・センターは1997年から2012年生まれをZ世代と定義しています。この定義に基づくと、2026年時点での年齢は14歳から29歳となります。
日本のマーケティング調査などでは、1996年以降生まれを指すことが多く、Y世代(ミレニアル世代)の次の世代として位置づけられています。幼少期からスマートフォンやSNSに触れてきたデジタルネイティブであることが最大の特徴であり、リーマンショックや東日本大震災といった社会的な出来事も価値観の形成に影響を与えています。
Z世代は、直前のミレニアル世代(Y世代)や、さらに前のX世代とは育った時代背景が大きく異なります。X世代(1960年代半ば~1980年頃生まれ)はアナログからデジタルへの移行期を経験し、ミレニアル世代(1980年代序盤~1990年代半ば生まれ)は学生時代にインターネットの普及を体験しました。一方、Z世代は生まれた時からデジタル技術が当たり前の環境で育った「真のデジタルネイティブ」です。
情報収集の方法も、ミレニアル世代が検索エンジンを主としていたのに対し、Z世代はSNSでの検索を多用します。また、ミレニアル世代が「モノの所有」から「コト消費」へ移行したのに対し、Z世代はその傾向をさらに強め、体験や共感を重視する価値観を持っています。
Z世代の考え方や行動様式は、上の世代から見ると独特だと感じられるかもしれません。しかし、その背景には彼らが育ったデジタル社会や社会情勢が大きく影響しています。
ここでは、Z世代の価値観、仕事、消費における10個の共通点を一覧で紹介します。これらの特徴を理解することで、彼らの真の姿やインサイトが見えてきます。
Z世代は、「自分らしさ」を非常に大切にし、他者の多様性を受け入れる価値観が根付いています。これは、SNSなどを通じて幼い頃から多様な価値観やライフスタイルに触れてきた経験が大きく影響しています。固定観念にとらわれず、個性を尊重する考え方が標準であるため、「男だから」「女だから」といった性別による役割の押し付けや、年齢による決めつけを嫌う傾向があります。
また、LGBTQ+やジェンダー平等といったテーマにも関心が高く、誰もが自分らしくいられる社会を理想としています。この価値観は、服装やキャリア選択など、人生のあらゆる場面での意思決定に反映されています。
Z世代は、環境問題や人権問題、貧困といった社会的な課題への関心が非常に高い世代です。特にSDGs(持続可能な開発目標)への認知度や共感度は高く、企業の取り組みを重視する傾向があります。
ある調査によれば、Z世代は他の世代と比較して、商品やサービスを選ぶ際にその企業の社会貢献活動や環境への配慮を判断基準にする割合が高いことが示されています。これは、インターネットを通じて世界中の情報をリアルタイムで得られる環境で育ち、社会の不均衡や課題を身近なものとして捉えているためです。彼らにとって、社会貢献は特別な活動ではなく、日々の消費活動やキャリア選択に結びつく当たり前の視点となっています。
Z世代は、物心ついた頃からインターネットやスマートフォンが当たり前に存在する環境で育ったデジタルネイティブです。そのため、情報収集の方法も上の世代とは異なります。検索エンジンで調べる「ググる」だけでなく、Instagramのハッシュタグで検索する「タグる」、Twitter(X)やTikTokなどでリアルタイムの情報を探すといった行動が一般的です。
さらに、興味のある分野を深く掘り下げる「ディグる」という行為も見られます。複数のSNSを目的別に使い分け、動画コンテンツから視覚的・聴覚的に情報を得ることも好みます。この情報収集術はZ世代に特有のものであり、彼らの購買行動や意思決定のプロセスに直結しています。
Z世代がタイムパフォーマンス(タイパ)、すなわち時間対効果を重視するのは、膨大な情報やコンテンツに囲まれて育ったことが背景にあります。なぜなら、限られた時間の中で効率的に情報を取捨選択し、満足度を高めたいという意識が常に働いているからです。この傾向は、動画コンテンツの倍速視聴や、映画やドラマを要約した「ファストコンテンツ」の視聴、音楽のサビだけを聴くといった行動に表れています。
時間を無駄にしたくないという思いが強く、結論がわからないまま話が続いたり、冗長な説明を受けたりすることにストレスを感じることも少なくありません。これは、仕事や学習においても同様で、効率性や合理性を求める姿勢につながっています。
Z世代は、商品購入やサービスの利用、さらには就職先の選択などにおいて、「失敗したくない」という気持ちが非常に強い傾向があります。そのため、意思決定の前に入念なリサーチを行うのが特徴です。SNSや口コミサイト、レビュー動画などを駆使して、使用者からのリアルな評価を徹底的に調べます。
特に、広告などの企業発信の情報よりも、一般ユーザーからの正直な意見や、信頼するインフルエンサーの推薦を重視します。購入後に「悪い買い物だった」と後悔することを極端に嫌うため、コストパフォーマンスだけでなく、満足度や体験価値を含めた総合的な納得感を求めます。この慎重な姿勢は、情報過多の社会で賢く生き抜くための防衛策ともいえます。
Z世代の消費行動は、高級なブランド品などを所有する「モノ消費」から、そこでしか得られない特別な経験や思い出を重視する「コト消費」へと明確にシフトしています。彼らにとって価値があるのは、商品そのものではなく、商品を通じて得られる体験やストーリーです。例えば、旅行やイベントへの参加、友人との食事など、SNSで共有したくなるような体験にお金を使う傾向が強いのが特徴です。
この背景には、物質的な豊かさがある程度満たされた時代に育ったことや、SNSでの「映え」や共感を重視する価値観があります。企業がZ世代にアプローチする際は、単に商品の機能性を訴求するだけでなく、その商品がどのような素晴らしい体験をもたらすかを伝えることが重要です。
Z世代は、年齢や役職といった上下関係を前提としたコミュニケーションよりも、オープンでフラットな人間関係を好みます。オンラインゲームやSNSを通じて、年齢や所属の異なる多様な人々と対等な立場で交流することに慣れているためです。職場においても、一方的な指示や権威的な態度には抵抗を感じることがあります。
彼らは、自分の意見を率直に伝え、相手の意見にも耳を傾ける双方向の対話を重視します。そのため、上司や先輩に対しても、納得できない点があれば臆せずに質問したり、より良い方法を提案したりすることも少なくありません。このような姿勢は、風通しの良い組織文化を構築する上でプラスに働く可能性があります。
Z世代にとって、ワークライフバランスは非常に重要な価値観です。仕事はあくまで人生の一部であり、プライベートな時間や個人の生活を充実させることを重視します。勤務時間外の連絡や休日出勤、過度な残業に対しては強い抵抗感を示し、会社への帰属意識よりも個人の生活を優先する傾向があります。
飲み会などの社内イベントへの参加も、業務時間外のプライベートな時間を拘束されると感じ、強制されることを嫌います。これは、仕事とプライベートの境界線を明確に引き、両方を大切にしたいという考え方の表れです。彼らのエンゲージメントを高めるためには、オンとオフのメリハリをつけられる労働環境の整備が不可欠とされます。
Z世代は、日本経済の長期的な停滞や社会情勢の不安定さを目の当たりにして育ってきたため、将来に対して漠然とした不安を抱いている傾向があります。このため、キャリア選択においては安定志向が強いのが特徴です。終身雇用制度が崩壊しつつある現実を理解しつつも、企業の安定性や福利厚生、長く働き続けられる環境を重視します。
一攫千金や大きな成功を夢見るよりも、堅実に資産形成を行ったり、スキルを身につけて市場価値を高めたりするなど、現実的な視点で自らのキャリアを設計しようとします。この現実主義的な考え方は、不確実な未来を生き抜くための彼らなりの生存戦略であり、地に足のついた価値観を持っていることの表れでもあります。
SNSを日常的に利用するZ世代は、他者からの評価を強く意識する傾向があり、承認欲求が高いと言われています。投稿への「いいね」やコメントの数が、自己評価に直接影響することも少なくありません。一方で、他者からの承認だけではなく、ありのままの自分を肯定したいという気持ちも強く持っています。
このため、自己肯定感を維持・向上させるためのセルフケアや、自分らしさを表現することへの関心も高いのが特徴です。彼らの内面では、「他者から認められたい」という欲求と、「自分は自分のままで良い」という思いが複雑に絡み合っています。このバランス感覚が、彼らの行動や価値観を理解する上での重要なポイントとなります。
Z世代は、これまでの世代とは異なる価値観を持っていますが、その特性は職場で大きな強みとなり得ます。彼らの能力を最大限に引き出すためには、一方的なマネジメントではなく、彼らの考え方を理解した上でのコミュニケーションが不可欠です。
ここでは、Z世代の強みを活かし、良好な関係を築くための具体的なコミュニケーション術について解説します。
Z世代との信頼関係を築く上で最も重要なのは、彼らを画一的な「若者」としてではなく、一人ひとりの個性を持つ個人として尊重する姿勢です。彼らは多様性を受け入れる価値観を当たり前のものとしており、自分の意見や考えをしっかりと持っています。そのため、上司や先輩からの一方的な指示や固定観念の押し付けには強い反発を覚えます。
まずは相手の意見に真摯に耳を傾け、なぜそう考えるのかという背景まで理解しようと努めることが大切です。たとえ自分とは異なる意見であっても、頭ごなしに否定せず、一度受け止めた上で対話を進めることで、彼らは心理的な安全性を感じ、自発的に行動するようになります。
Z世代に業務を指示する際は、単に「これをやっておいて」と伝えるだけでは不十分な場合があります。彼らは、その仕事が何のために行われるのか、全体のどの部分を担っているのかという目的や背景を理解することで、モチベーションを高める傾向があります。
例えば、「この資料作成は、次の会議で〇〇という目的を達成するために重要だから」といった具体的な説明を加えることで、仕事への納得感が生まれ、主体的に取り組むようになります。これは、指示待ちではなく、自ら考えて行動することを促す教育的な側面も持っています。丁寧な説明は、一見すると非効率に感じるかもしれませんが、結果的に業務の質を高め、彼らの成長を促進することにつながります。
Z世代、特に新人や新入社員は、自分の仕事ぶりや成長度合いに対してこまめなフィードバックを求める傾向があります。SNSでの即時的な反応に慣れているため、年に一度の評価面談だけでは、自分が正しく評価されているか不安に感じてしまいます。
そこで有効なのが、定期的な1on1ミーティングです。短い時間でも良いので、良かった点や改善点を具体的に伝える場を設けることで、社員は安心して業務に取り組むことができます。上司が自分に関心を持ち、成長をサポートしてくれているという実感は、エンゲージメントの向上に直結します。形式的な場ではなく、対話を通じて個々のキャリアプランについても話し合うことが、長期的な育成において重要です。
新たな消費の主役となりつつあるZ世代をターゲットとしたマーケティングでは、従来の手法が通用しないケースが増えています。彼らは企業からの広告を鵜呑みにせず、自らの価値観に合うかどうかを厳しく判断します。
ここでは、Z世代の心に響くマーケティングアプローチの重要なポイントを3つ紹介します。
Z世代にとってSNSは、単なるコミュニケーションツールではなく、主要な情報源であり、購買行動の起点となるプラットフォームです。彼らにアプローチするためには、企業が一方的に情報を発信するのではなく、共感を呼ぶコンテンツ作りが欠かせません。具体的には、ユーザーが「自分ごと」として捉えられるようなストーリー性のある投稿や、インフルエンサーとのタイアップ、ユーザー参加型のキャンペーンなどが有効です。
また、企業アカウントが完璧である必要はなく、むしろ少し親しみやすさや人間味を感じさせる投稿の方が好まれる傾向があります。商品の宣伝だけでなく、ブランドの世界観や哲学を伝えることで、ファンを増やし、エンゲージメントを高めることが重要です。
Z世代は、テキスト中心の情報よりも、動画コンテンツを好む傾向が顕著です。特にTikTokやInstagramのリールに代表されるショートムービーは、彼らの生活に深く浸透しています。タイムパフォーマンスを重視するため、短時間で直感的に商品やサービスの魅力が伝わる視覚的なコンテンツが効果的です。
商品の使い方を分かりやすく紹介するハウツー動画や、利用シーンをイメージさせるVlog風の動画、あるいはトレンドの音楽やエフェクトを活用したエンターテイメント性の高いコンテンツなどが注目を集めやすいでしょう。静的な広告よりも、動きや音で感情に訴えかける動画の方が、Z世代の記憶に残りやすく、SNSでの拡散も期待できます。
Z世代は、企業の姿勢や透明性を非常に重視します。商品やサービスを選ぶ際には、その背景にあるストーリーや、企業の社会貢献活動(SDGsへの取り組みなど)にも関心を寄せます。そのため、マーケティングにおいては、正直で誠実な情報開示が不可欠です。
例えば、商品の製造プロセスを公開したり、環境に配慮した素材を使用していることを具体的に示したりすることで、信頼性を高めることができます。また、ユーザーレビューや口コミを積極的に活用し、良い点だけでなく改善点についても真摯に対応する姿勢を見せることも重要です。誇張された広告や不誠実な対応はすぐに見抜かれ、SNSで拡散されるリスクもあるため、透明性と信頼性の確保がブランド価値を守る上で欠かせません。
ここまでZ世代のさまざまな特徴について解説してきましたが、まだ疑問に思う点もあるかもしれません。
このセクションでは、Z世代に関して人事担当者やマーケターからよく寄せられる質問とその回答をまとめました。基本的な疑問から採用活動のポイントまで、よくある質問を教えていきます。
Z世代の次の世代は、「α世代(アルファ世代)」と呼ばれています。主に2010年代序盤から2020年代中盤までに生まれる世代を指します。生まれたときからAIやタブレット端末が当たり前の環境で育つ、さらなるデジタルネイティブとして注目されています。
Z世代が「タイパ」を重視するのは、インターネット上に膨大な情報やコンテンツが溢れる環境で育ったためです。限られた時間の中で、効率的に自分にとって価値のある情報を取捨選択し、満足度を最大化したいという意識が強く働いていることが理由です。
Z世代の採用活動では、企業の透明性と誠実な情報開示が重要です。SNSなどを通じてリアルな情報を求めるため、企業の良い面だけでなく課題も率直に伝えましょう。また、フラットなコミュニケーションや、個人のキャリアを尊重する姿勢を示すことも大切です。
この記事では、Z世代の定義から価値観、働き方、消費行動に至るまで、10個の特徴を中心に解説しました。Z世代は、デジタルネイティブならではの情報収集能力や、多様性を尊重する価値観、そして社会問題への高い関心など、多くの強みを持っています。彼らの特性を正しく理解し、一人ひとりの個性に向き合うことが、採用活動の成功や組織の活性化において不可欠です。
本記事のまとめとして、Z世代は一方的な管理や古い価値観の押し付けを嫌い、納得感と双方向のコミュニケーションを重視する世代であるという点を再度強調しておきます。彼らの価値観を尊重し、強みを引き出す環境を整えることが、これからの企業に求められます。

記事公開日 : 2026/02/13
最終更新日 : 2026/02/13

記事公開日 : 2026/02/09
最終更新日 : 2026/02/13
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