記事公開日 :  2025/07/28

【2025年版】転職者のホンネとは?年代別「転職理由ランキング」

【2025年版】転職者のホンネとは?年代別「転職理由ランキング」

転職を考えている方にとって、他の人がどのような理由で転職しているのか、特に自分の年代ではどのような傾向があるのかは気になる情報ではないでしょうか。また、人事担当の方も「会社には言えない本当の理由」を知りたい方が多いかと思います。本記事では、最新の転職市場の動向や、年代別の転職理由ランキングを詳しく解説し、転職を検討する上で役立つ情報を提供します。キャリアアップや働き方の改善を目指す上で、ぜひ参考にしてください。

転職市場の動向

2024年の転職市場は、全体的に活発な売り手市場が継続しています。求人数、求職者数ともに高止まりの傾向が見られ、特にコンサルティング業、人材サービス業、IT・通信業、建設・不動産業といった業界では転職求人倍率が高く、人材確保が難しい状況が続いているのが現状です。企業はDX推進や生成AIの活用といった業務効率化を進める中で、関連スキルを持つ人材の評価が高まる見込みです。また、賃上げを実施する企業も増加傾向にあり、働く環境の改善も進んでいます。

全体の転職に関するデータ

転職サービスdodaの調査によると、2023年7月から2024年6月の1年間に転職した人を対象とした転職理由ランキングでは、「給与が低い・昇給が見込めない」が4年連続で1位となっています。しかし、その割合は前回の36.9%から3.3ポイント減少し、33.6%となりました。これは、2024年の春闘で賃上げ率が33年ぶりに5%を超えたことなど、企業での給与アップの動きが進んだことが影響していると考えられます。

2位には「人間関係が悪い/うまくいかない」(22.7%)、3位には「社内の雰囲気が悪い」(21.1%)が続き、人間関係や職場環境に関する理由も上位にランクインしています。特に「労働時間に不満(残業が多い/休日出勤がある)」は前回の11位から4位へと大きく順位を上げており、ワークライフバランスへの意識の高まりがうかがえます。

年代別の転職率

2024年の1年間における正社員全体の転職率は7.2%で、前年よりわずかに減少したものの、依然として高水準を維持しています。年代別に見ると、20代の転職率が最も高く12.4%です。一方で、20代・30代は転職率が減少傾向にあるのに対し、40代女性(+0.9pt)、50代女性(+0.5pt)、40代男性(+0.3pt)は前年より増加しており、40代・50代の転職活動が活発化していることが分かります。

厚生労働省のデータによると、新卒で入社してから1年以内に離職する割合は、大学卒で約10〜12%と、毎年1割近くの人が1年以内に離職する結果が出ています。この割合は決して少なくなく、転職がキャリア形成の選択肢の一つとして認識されている傾向が見られます。また、マイナビの調査では、直近1年間に転職活動を行った正社員の20.1%が前職を1年未満で退職しており、この割合は20代で26.8%と最も高くなっています。一般的に早期離職のラインとされる「3年未満」で退職した人は全体の42.9%に上り、転職者の勤続年数が短期化する傾向があることが分かります。


総合ランキング

1位|給与が低い・昇給が見込めない

2023年7月から2024年6月の1年間に転職した人を対象としたdodaの調査によると、転職理由の総合ランキングでは「給与が低い・昇給が見込めない」が4年連続で1位に輝きました。この理由を挙げた人の割合は33.6%で、前回調査の36.9%からはわずかに減少しましたが、依然として多くの転職者が給与面での不満を抱えていることが明らかになりました。賃上げの動きが活発化しているものの、現在の給与水準や将来の昇給見込みに対する不満は、転職を決意する大きな要因の一つと言えるでしょう。この背景には、物価上昇やライフスタイルの変化に伴う生活費の増加など、個人の経済的な事情も大きく影響していると考えられます。

また、企業によっては評価制度が明確でなかったり、成果が適切に給与に反映されないと感じたりすることも、従業員が給与に対する不満を抱く原因となります。転職によって給与アップを期待する人が多いことから、企業側も給与体系の見直しや、従業員のスキルや実績に見合った報酬を提供することが、優秀な人材の獲得・定着においてより重要になるでしょう。

2位|人間関係が悪い/うまくいかない

総合ランキングで2位にランクインした理由が「人間関係が悪い/うまくいかない」で、22.7%の人がこの理由を挙げています。職場における人間関係は、仕事のパフォーマンスや精神的な健康に大きく影響を及ぼす要素です。上司や同僚とのコミュニケーションが円滑でなかったり、ハラスメントなどの問題が発生したりすると、日々の業務に支障をきたし、ストレスを感じやすくなります。特に、チームで協力して業務を進めることが多い職場では、人間関係の悪化が個人の業務負担を増やしたり、チーム全体の生産性を低下させたりする原因にもなりかねません。

人間関係の問題は個人的な努力だけでは解決が難しい場合も多く、職場環境を根本的に変えるために転職を選択する人が少なくないことがこの結果からうかがえます。円滑な人間関係は、従業員が安心して働ける環境を築く上で不可欠であり、企業は従業員間のコミュニケーションを促進する取り組みや、ハラスメント対策に積極的に取り組む必要があると言えるでしょう。

3位|社内の雰囲気が悪い

総合ランキングで3位となったのは「社内の雰囲気が悪い」という理由で、21.1%の人が挙げています。これは人間関係の悪化とも関連が深く、企業文化や職場の風土が、従業員にとって居心地の悪いものになっている場合に生じる不満です。例えば、意見が通りにくい、閉鎖的な雰囲気がある、過度な競争意識がある、または従業員同士の助け合いが少ないといった状況が考えられます。コロナ禍においては、リモートワークの普及により社内の雰囲気が直接感じにくくなった影響も指摘されていますが、依然として多くの人が社内の雰囲気を転職理由として挙げています。

社内の雰囲気が悪いと感じる環境では、従業員のモチベーションが低下し、本来のパフォーマンスを発揮することが難しくなります。また、新しいアイデアが生まれにくくなったり、チームワークが阻害されたりするなど、企業の成長にも悪影響を及ぼす可能性があります。社内の雰囲気を改善するためには、経営層が積極的に従業員の意見に耳を傾け、オープンなコミュニケーションを奨励するなどの取り組みが求められます。

4位|労働時間に不満

総合ランキングで4位にランクインしたのが「労働時間に不満(残業が多い/休日出勤がある)」です。この理由を挙げた人は20.3%に上り、前回調査の11位から大きく順位を上げました。これは、近年働き方改革が進む中で、ワークライフバランスを重視する人が増加していることを示唆しています。長時間労働や慢性的な残業、頻繁な休日出勤は、従業員の心身の健康を損なうだけでなく、プライベートの時間を犠牲にすることにもつながります。家族との時間、自己啓発のための時間、趣味の時間などを確保できないことに不満を感じ、より柔軟な働き方や、適切な労働時間で働ける職場を求めて転職を決意する人が増えています。

特に、30代以降では結婚や出産、育児、介護といったライフイベントを経験する人が増えるため、労働時間の柔軟性や安定性がより重視される傾向にあります。企業側には、労働時間の適正化や柔軟な働き方を導入するなど、従業員が働きやすい環境を整備することが、人材の確保・定着において重要な課題となっています。

5位|昇進・キャリアアップが望めない

総合ランキングで5位に位置するのは、「昇進・キャリアアップが望めない」という理由です。自身のスキルや経験を活かして、より高い役職や責任のある仕事に就きたい、あるいは専門性を深めてキャリアを形成したいと考える人は少なくありません。しかし、現在の会社では昇進の機会が少ない、評価制度が不明確でキャリアパスが見えにくい、あるいは特定のポストが詰まっていて若手が昇進しにくいといった状況に直面すると、自身の成長が停滞していると感じ、転職を検討するようになります。

特に、成長意欲の高い若手層にとっては、キャリアアップの機会が限定されることは大きな不満につながります。また、年齢が上がるにつれてマネジメント経験や専門知識が求められる場面が増えるため、早期に多様な経験を積める環境を求めて転職するケースも見られます。企業側には、明確な評価制度の構築や、従業員のキャリアプランを支援する体制の整備が求められます。

年代別に見る転職理由

転職理由は年代によって傾向が異なります。自身のキャリアステージやライフイベントが変化することで、仕事に求めるものも変化するため、転職を検討するきっかけや理由も多様化します。ここでは、年代別の主な転職理由について詳しく見ていきましょう。

20代の主な転職理由

20代で転職する主な理由は、自身のキャリアアップや労働環境への不満が上位を占める傾向があります。dodaの調査では、20代の転職理由の1位は「給与が低い・昇給が見込めない」で39.3%と、総合ランキングと同様に給与面への不満が最も多い割合を占めています。また、リクルートエージェントの調査では、「他の仕事に挑戦したかった」(17.4%)、「労働時間・環境が不満だった」(15.6%)、「キャリアアップしたかった」(13.8%)が上位に挙がっています。20代はキャリアの基礎を築く時期であり、自身の成長やスキルアップへの意欲が非常に高い年代です。そのため、現在の職場でスキルが身につかない、成長できる環境がないと感じた場合や、将来のキャリアパスが見えない場合に転職を決意することが多いです。

また、人間関係の悩みや、仕事内容への興味の減少も20代の転職理由として多く見られます。特に、上司や先輩との相性が合わないことや、ハラスメントなどが原因でストレスを抱え、体調を崩して転職を考えるケースも存在します。20代は、新しい環境への適応力が高く、柔軟なキャリア志向を持つため、現状への不満を解消し、より良い働き方や成長機会を求めて積極的に行動する傾向があります。

30代の主な転職理由

30代で転職する主なきっかけは、キャリアアップと労働環境や報酬への不満が中心となります。dodaの調査では、30代の転職理由の1位は「給与が低い・昇給が見込めない」で36.3%と、引き続き給与面が最大の要因となっています。また、リクルートエージェントの調査では、「キャリアアップしたかった」(18.3%)と「他の仕事に挑戦したかった」(18.3%)が同率1位に挙げられています。これに続き、「給与が低かった」(14.0%)や「年収を上げたかった」(12.9%)、「労働時間・環境が不満だった」(12.9%)といった報酬や労働環境に対する不満が上位にランクインしています。

30代は社会人経験が十分に積み重なり、スキルや専門知識が磨かれる時期であるため、これまでの経験を活かしつつ、さらに専門性を高めるためのキャリアチェンジへの意欲が高い傾向があります。特に、成長業界やIT分野への移行に関心を示すケースが多く見られます。また、結婚や出産、子育てといったライフスタイルの変化が多くなる時期でもあり、これに伴い、仕事とプライベートのバランスを見直す必要が出てくることも転職の大きな理由となります。在宅勤務やフレックス制など、柔軟な働き方を求める人も増えており、企業の業績悪化や業界の衰退など、将来性への不安から安定した未来を求めて転職を決意するケースも少なくありません。30代の転職は、40代や50代を見据えた長期的な視点で求人を選ぶことが重要とされています。

40代の主な転職理由

40代で転職する主な理由には、現状への不満や、会社の将来性に対する不安が多く挙げられます。ビズヒッツの調査によると、40代からの転職理由の1位は「業績悪化や倒産・解雇」でした。これは、昨今の社会情勢による影響や、会社の業績不振から転職を余儀なくされるケースが多いことを示しています。dodaの調査では、40代の転職理由の1位は「給与が低い・昇給が見込めない」が30.8%で、他の年代と同様に給与面が上位に挙がっています。また、「人間関係が悪い/うまくいかない」(22.1%)や「社内の雰囲気が悪い」(21.3%)といった人間関係や職場環境に関する不満も依然として高い割合を占めています。

40代になると、20代や30代に多い「スキルアップや新しい仕事への挑戦」といったポジティブな理由での転職は少なくなり、現状への不満や、働き方の改善を目的とする転職が多くなります。例えば、長時間労働や休日出勤が多いなど、働き方が合わないと感じる場合に、より働きやすい環境を求めて転職を決断するケースが見られます。また、年収が減ってしまったり、希望した仕事内容と違ったり、新しい職場に馴染めないといった失敗談も存在します。

40代の転職では、これまでのキャリアで培った専門知識やマネジメントスキル、問題解決能力が企業から高く評価される傾向があります。即戦力としての活躍が期待されるため、これまでの実績を具体的に示すことが成功の鍵となります。

50代の主な転職理由

50代で転職する主な理由は、給与や人間関係、会社の経営状況への不満が中心となります。dodaの調査では、50代の転職理由の1位は「給与が低い・昇給が見込めない」で28.7%と、他の年代と同様に給与面が上位に挙げられています。リクルートエージェントの調査でも、50代の転職理由の1位は「給与が低かった」(16.4%)であり、次いで「会社の経営方針・経営状況が変化した」(10.9%)、「労働時間・環境が不満だった」(10.9%)、「雇用形態に満足できなかった」(10.9%)、「上司・経営者の仕事の仕方が気に入らなかった」(10.9%)が挙げられています。

マイナビの調査によると、50代女性の転職理由のトップは「職場の人間関係が悪かった」であり、他の年代とは異なる特徴が見られます。長年働いてきた経験から業務スキルは十分でも、組織内の雰囲気や価値観に馴染めない、上司や同僚との関係に摩擦が生じるなど、人間関係が原因でストレスを感じるケースが増える傾向があります。また、自身の経験やこれまでの成功体験が新しい環境で活かせないと感じることも、転職理由につながることがあります。

50代の転職は、定年が近いことや、企業が求めるスキルや経験の高さから、若年層に比べて難易度が高いと言われることもあります。しかし、豊富な経験を持つ即戦力や、チームをまとめるマネジメント能力、高度な専門知識を持つ50代の人材を求める企業も存在します。これまでの経験やスキルを棚卸しし、自身の市場価値を明確にすることが、50代の転職を成功させるための重要なポイントです。また、安定性を重視する傾向が強いため、企業のビジョンや人事制度(役職定年や70歳雇用など)を事前に確認し、長期的に安心して働ける環境を選ぶことが大切です。


まとめ

転職理由は年代によって異なる傾向が見られますが、どの年代においても「給与が低い・昇給が見込めない」が上位を占める主要な理由であることが明らかになりました。若手層ではキャリアアップや成長機会を求める声が多く、年齢が上がるにつれて人間関係や労働時間、会社の将来性といった環境要因への不満が顕著になる傾向があります。

転職を検討する際は、まず自身の転職理由を明確にし、それがどのようなニーズから来ているのかを深く掘り下げることが重要です。その上で、希望する働き方やキャリアパスに合致する企業や業界を慎重に選ぶ必要があります。ネガティブな転職理由であっても、面接時にはポジティブな表現に変換し、新しい職場での貢献意欲や自身の成長への意欲を伝えることが成功の鍵となります。

転職市場は常に変化しており、各年代で求められるスキルや経験も異なります。自身の強みを理解し、それを最大限にアピールすることで、年齢に関わらず理想の転職を実現できる可能性が高まります。この情報が、転職を検討している皆様の参考になれば幸いです。

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