記事公開日 :  2025/07/14

オープン・カンパニーとは|インターンシップとの違いや内容を解説

オープン・カンパニーとは|インターンシップとの違いや内容を解説

オープン・カンパニーとは、企業が学生に対して業界や企業に関する情報を提供し、キャリア形成支援を行うプログラムのことです。就業体験を伴わない説明会やイベントが中心で、企業のビジョンや文化に触れたり、業界の動向を学ぶ機会となります。本記事では、オープン・カンパニーの概要やインターンシップとの違い、参加するメリットについて詳しく解説します。

オープン・カンパニーの基本

オープン・カンパニーとはどのようなものか、その定義や開催目的、キャリア形成支援における位置づけについて説明します。オープン・カンパニーは、2023年度に従来のインターンシップの定義が見直されたことにより、新たに登場したプログラムです。

オープン・カンパニーとは

オープン・カンパニーとは、企業や大学のキャリアセンターなどが主催する説明会やイベントのことです。学生に企業や業界について知ってもらうことを目的としており、「学生のキャリア形成支援活動」のタイプ1に分類されます。内容は業界や職種に関する情報提供や企業PRがメインで、就業体験は伴いません。単日で実施されることが多く、企業の文化やビジョンに触れるきっかけとなります。自分の進路を考える第一歩として、多くの学生が活用しているプログラムです。

開催される目的

オープン・カンパニーの主な目的は、学生に企業や業界の情報を提供し、理解を深めてもらうことにあります。企業側は自社の魅力をアピールし、業界や職場環境について学生に知ってもらう機会を提供します。学生は企業を訪問したりオンラインの説明会に参加したりすることで、職場の雰囲気や企業の事業内容、方針、働き方などについても具体的に知ることができます。採用に直接つなげることではなく、あくまで学生への情報提供とキャリア支援を念頭に置いて実施されます。

キャリア形成支援としての位置づけ

オープン・カンパニーは、2025年卒採用から適用されたインターンシップの定義変更に伴い、新たに設定された「学生のキャリア形成支援活動」の4つの類型のうち、「タイプ1:業界・企業による説明会やイベント」に位置づけられています。これは、従来の1dayインターンシップなど、就業体験を伴わないプログラムを明確に区分するために設けられました。あくまで学生のキャリア形成を支援するためのプログラムであり、採用活動とは直接的に切り離されているのが特徴です。

オープン・カンパニーの特徴と内容

オープン・カンパニーが具体的にどのような内容で実施され、どのくらいの期間、どのような学年の学生が参加できるのかについて詳しく解説します。オープン・カンパニーは、学生が気軽に参加し、企業や業界について理解を深められるようなプログラムが中心となります。

主な実施内容

オープン・カンパニーの実施内容は企業によって様々ですが、主に以下のような形式が一般的です。会社説明会では、事業内容や業界動向、働き方などを座学形式で紹介します。社員との座談会では、若手・中堅社員が参加し、働き方ややりがいについてリアルな声を共有します。職場見学を通して実際のオフィスや現場を見学し、職場環境や雰囲気を体感することも含まれます。簡単な業務理解やグループディスカッションを通して仕事の疑似体験を提供するミニワーク・ゲーム形式の体験を取り入れる企業もあります。

参加期間の傾向

オープン・カンパニーの実施期間に明確な規定はありませんが、単日開催や半日、数時間程度の短期間のプログラムが多くを占めます。学生が学業と両立しやすいように、平日の夕方や週末、長期休暇中に実施されることがあります。オンライン開催に対応している企業もあり、遠方の学生でも参加しやすいよう工夫されています。複数回開催される場合もあり、学生の都合に合わせて参加しやすい点が特徴です。

参加できる学年

オープン・カンパニーは、学年を問わずすべての学生が参加できます。大学1年生や2年生といった早期段階の学生も対象としており、早い時期から企業や業界について知る機会を得られます。これは、主に大学3年生以上を対象とするインターンシップとの大きな違いの一つです。低学年のうちから多様な業界や企業に触れることで、自身の興味やキャリアについて考えるきっかけを早期に見つけられます。


インターンシップとの比較

オープン・カンパニーとインターンシップは、目的や内容、期間、対象となる学年、そして採用活動との関連性において違いがあります。それぞれの特徴を理解することが、学生にとって自身の目的に合ったプログラムを選択する上で重要となります。

プログラム内容の違い

オープン・カンパニーとインターンシップの最も大きな違いは、プログラム内容における就業体験の有無です。オープン・カンパニーは、企業や業界の情報提供、説明会、座談会、職場見学などが中心であり、実際の業務を体験する就業体験は含まれません。一方、インターンシップは職場での実務体験を通じて、仕事内容や自身の適性理解を深めることを目的としています。産学協議会が定める新しい定義では、就業体験を伴うものがタイプ3およびタイプ4のインターンシップとされています。

開催期間の違い

開催期間においても、オープン・カンパニーとインターンシップには違いがあります。オープン・カンパニーは半日や1日といった短期間での開催が一般的です。対して、インターンシップ、特にタイプ3やタイプ4に分類されるものは、一定期間(例えば5日間以上など)にわたる実施が要件とされています。この期間の長さの違いは、プログラムの目的、つまり情報提供に重点を置くか、実際の業務体験に重点を置くかを反映しています。

参加対象の学年の違い

参加対象となる学年も、オープン・カンパニーとインターンシップを区別する重要な点です。オープン・カンパニーは基本的に全学年の学生を対象としており、大学1年生や2年生も参加しやすいプログラムです。これにより、キャリアについて早期から考え始める学生にとって、多様な業界や企業に触れる機会を提供しています。一方、インターンシップ、特に採用選考に活用されうるタイプのものは、主に大学3年生以上の高学年を対象としています。

採用活動での情報活用の可否

オープン・カンパニーとインターンシップの決定的な違いの一つが、プログラムを通じて企業が得た学生の情報を採用活動に活用できるかどうかです。オープン・カンパニーで企業が得た学生の情報は、その後の採用選考活動に直接利用することは認められていません。あくまでキャリア形成支援の一環として位置づけられているためです。一方、一定の要件を満たしたインターンシップ(タイプ3およびタイプ4)で取得した学生の情報は、広報活動や採用選考活動に活用することが可能です。

参加するメリット

オープン・カンパニーへの参加は、学生と企業双方にとって様々なメリットをもたらします。それぞれの立場から見たメリットを理解することで、オープン・カンパニーをより有効に活用できるでしょう。

学生にとってのメリット

学生にとってオープン・カンパニーに参加するメリットは多岐にわたります。まず、興味のある業界や企業の業務内容、雰囲気を具体的に知ることができるため、業界研究や企業理解を深める貴重な機会となります。企業のウェブサイトやパンフレットだけでは分からないリアルな情報を得られるだけでなく、社員との座談会や交流会を通じて、働く人々の生の声を聞き、企業の文化や価値観に触れることも可能です。また、早期から様々な企業に触れることで、自身のキャリアについて具体的に考えるきっかけとなり、自分に合った企業や職種を見極める材料を得られます。質問する機会も設けられることが多く、疑問点を解消することで、より企業理解を深められます。

企業にとってのメリット

企業がオープン・カンパニーを実施することにも複数のメリットがあります。採用活動とは切り離されているプログラムではありますが、早期から幅広い学年の学生と接点を持つことで、企業の認知度向上や企業イメージの醸成につながります。特に中小企業にとっては、学生に自社を知ってもらう貴重な機会となるでしょう。また、自社の事業内容や魅力、働く環境を直接学生に伝えることで、学生の企業理解を深め、将来的な採用におけるミスマッチを防ぐ効果も期待できます。社員が学生と交流することは、自社の魅力について改めて考える機会となり、社員自身のモチベーション向上や人材育成につながることもあります。

参加にあたっての留意点

オープン・カンパニーは多くのメリットがありますが、参加する上で学生と企業双方が留意すべき点も存在します。それぞれの立場から注意すべき点を確認し、プログラムをより有意義なものにしましょう。

学生が注意すること

学生がオープン・カンパニーに参加するにあたっては、いくつかの点に注意が必要です。まず、オープン・カンパニーは採用選考活動とは直接結びついていないため、参加したからといって必ずしもその後の選考が有利になるわけではないことを理解しておく必要があります。また、短期間のプログラムが多いため、企業や業界の全体像を完全に把握することは難しい場合があります。参加する前に企業の基本的な情報や事業内容についてある程度調べておくことで、より効率的に情報を吸収し、有意義な質問をする準備ができます。限られた時間の中で積極的に質問するなど、主体的に情報収集する姿勢が重要です。

企業が注意すること

企業がオープン・カンパニーを実施する際には、いくつかの注意点があります。最も重要なのは、オープン・カンパニーで取得した学生の情報を採用活動に直接利用してはならないという点です。あくまで学生のキャリア形成支援を目的としたプログラムであることを明確に認識し、採用選考とは切り離して運営する必要があります。また、短期間での実施や大人数を対象とする場合、学生一人ひとりと深いコミュニケーションを取ることが難しい場合があります。学生の疑問や関心に応えられるよう、質疑応答の時間を十分に確保したり、少人数の座談会を取り入れたりするなど、学生との相互理解を促進するための工夫が求められます。

まとめ

オープン・カンパニーは、企業が学生に対して業界や企業の情報提供を行い、キャリア形成を支援するためのプログラムです。就業体験を伴わない点や、学年を問わず参加できる点が、主に高学年を対象とし就業体験を含むインターンシップとの大きな違いです。学生にとっては早期から多様な企業や業界に触れ、自身のキャリアを考えるきっかけを得られるメリットがあり、企業にとっては企業認知度の向上や将来的なミスマッチの軽減につながる可能性があります。ただし、オープン・カンパニーで得られた学生情報は採用活動に直接活用できない点など、いくつかの留意点も存在します。オープン・カンパニーを自身の就職活動や採用活動に効果的に取り入れるためには、これらの特徴や目的を十分に理解することが重要です。

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