記事公開日 :  2025/12/17

InstagramとTikTok、採用で使うならどっち?Z世代へのアプローチの違いを解説

InstagramとTikTok、採用で使うならどっち?Z世代へのアプローチの違いを解説
SNS採用が主流となる中、特にZ世代へのアプローチで欠かせないのがInstagramとTikTokです。
しかし、両者は似ているようで特性が大きく異なるため、採用活動を成功させるには、それぞれのプラットフォームに適した戦略的な使い分けが不可欠です。

本記事では、InstagramとTikTokの採用における違いを多角的に比較し、自社の目的に合ったSNSの活用方法を解説します。

まずは基本から!採用におけるInstagramとTikTokの役割の違い

InstagramとTikTokはどちらも現代の採用活動において強力なツールとなり得ますが、その役割には明確な違いがあります。Instagramは企業のファンを作りエンゲージメントを高めることに長けている一方、TikTokは圧倒的な拡散力で潜在層へアプローチし認知度を向上させる活用に適しています。

この基本的な役割の違いを理解することが効果的なSNS採用戦略を立てる上での第一歩となります。

Instagram採用の特徴:ビジュアルで企業文化を伝え、ファンを育てる

Instagramは、写真や動画などビジュアルコンテンツが中心のSNSです。そのため、企業のオフィス環境、社員の働く様子、社内イベントといった「企業文化」や「社風」を視覚的に伝えることに非常に長けています。テキストだけでは伝わりにくい職場のリアルな雰囲気を届けることで、求職者は企業への理解を深め、共感を抱きやすくなります。

継続的に質の高いコンテンツを発信することで、企業のファンとなったフォロワーを育成し、エンゲージメントを高めることが可能です。これにより、応募前から企業への関心が高い母集団を形成し、採用後のミスマッチを防ぐ効果も期待できるでしょう。

ハッシュタグ検索で能動的に情報を探す求職者にアプローチ
Instagramの大きな特徴の一つが、ユーザーがハッシュタグを用いて能動的に情報を検索する文化です。求職者は「#25卒採用」「#IT業界」「#社名」といったキーワードでハッシュタグ検索を行い、興味のある企業や職種に関する情報を積極的に探しています。

そのため、採用関連の投稿に適切なハッシュタグを複数設定することで、自社に興味を持つ可能性が高い求職者からの発見を促せます。企業側から一方的に発信するだけでなく、情報収集意欲の高いユーザーからのアクセスを待つ「プル型」のアプローチが可能です。業界、職種、勤務地、働きがいなど、多角的なハッシュタグを戦略的に活用することが重要になります。

作り込まれた世界観で企業のブランディングを確立
Instagramのプロフィール画面は、投稿写真が一覧で表示されるため、アカウント全体の統一感が企業の第一印象を大きく左右します。投稿する写真や動画の色味、デザインのトーン、構図などを一貫させることで、企業が目指す「世界観」を演出し、採用ブランディングを確立できます。「先進的」「温かい」「クリエイティブ」といった、言葉だけでは伝わりにくい抽象的なイメージを視覚情報として届けられるのが強みです。

この作り込まれた世界観は、企業の価値観やカルチャーに共感する求職者を引きつける磁石のような役割を果たし、他社との明確な差別化につながります。

ストーリーズやリール機能を活用してリアルな情報を届ける
洗練されたフィード投稿とは対照的に、ストーリーズやリール、ライブといった機能は、より「生」に近いリアルな情報を発信するのに適しています。24時間で消えるストーリーズ機能を活用すれば、社員の日常的な業務風景やランチの様子などを気軽に投稿でき、親近感を醸成します。

また、短尺動画のリールでは、オフィスツアーや社員の一日などをテンポよく紹介し、視聴者の興味を引くことが可能です。さらに、ライブ配信機能を通じてオンライン会社説明会やQ&Aセッションを実施すれば、求職者と直接コミュニケーションを取り、疑問や不安をその場で解消することもできます。

TikTok採用の特徴:拡散力で潜在層にリーチし、企業の認知度を高める

TikTok採用の最大の武器は、その圧倒的な拡散力にあります。フォロワー数に関わらず、コンテンツの評価が高ければ爆発的に再生回数が伸びる「バズ」が起こりやすいアルゴリズムが特徴です。この仕組みにより、まだ自社のことを全く知らない、あるいは就職・転職を具体的に考えていない潜在層のユーザーにも情報を届けることが可能です。

国内でも膨大なユーザー数を抱えており、従来の採用手法では接触できなかった層へアプローチし、企業の認知度を飛躍的に高めるポテンシャルを秘めています。あからさまな宣伝よりも、トレンドを取り入れたエンターテインメント性の高いコンテンツを通じて、楽しみながら企業を知ってもらう手法が効果的です。

強力なレコメンド機能で、まだ自社を知らない層へも届く
TikTokの拡散力を支えているのが、AIによる強力なレコメンド機能です。ユーザーの視聴履歴、滞在時間、「いいね」やコメントといった行動データから、個々の興味・関心度をAIが分析し、「おすすめ」フィードに最適な動画を次々と表示します。

このため、企業アカウントをフォローしていないユーザーや、採用関連のキーワードで検索していないユーザーに対しても、コンテンツの内容次第で自然に情報を届けることが可能です。例えば、普段から仕事紹介系の動画を見ているユーザーのおすすめ欄に、自社の社風を伝える動画が表示されるといった現象が起こります。これにより、潜在的な候補者との思わぬ出会いが生まれるのです。

親しみやすい短尺動画で社内の雰囲気を伝える
TikTokでは、数秒から1分程度の短尺動画が主流であり、企業のリアルな雰囲気を気軽に伝えるのに最適です。プロが制作したような完璧な動画よりも、スマートフォンで撮影したような手作り感のあるコンテンツの方が、ユーザーに親近感を与え、受け入れられやすい傾向があります。

例えば、社員同士の和やかな会話、ユニークな福利厚生の紹介、採用担当者の自己紹介などを短い動画にまとめることで、テキスト情報だけでは伝わらない「社内の空気感」や「人柄」を直感的に届けられます。これにより、求職者は入社後の働き方を具体的にイメージしやすくなり、企業への興味を深めるきっかけとなります。

トレンドを活用して採用候補者との心理的距離を縮める
TikTokでは、流行の音源やハッシュタグ、ダンスなどのトレンドが日々生まれています。これらのトレンドを採用コンテンツに上手く取り入れることで、ユーザーの目に留まりやすくなるだけでなく、「面白そうな会社」「親しみやすい会社」といったポジティブな印象を与えることが可能です。

企業が一方的に情報を発信するのではなく、ユーザーと同じ文化を共有し、プラットフォームを楽しんでいる姿勢を見せることで、採用候補者との心理的な距離がぐっと縮まります。これにより、候補者は企業をより身近な存在として感じ、気軽に応募や問い合わせをするきっかけにもなり得ます。

項目別に徹底比較!InstagramとTikTok、採用活動での違い

InstagramとTikTokの基本的な役割を理解した上で、ここでは採用活動における具体的な違いを項目別に比較していきます。アプローチできるユーザー層、効果的なコンテンツ、情報の拡散の仕組みという3つの観点から、両者の特性を詳しく見ていきましょう。

TwitterやYouTubeなど他のSNSとも異なる、この2つのプラットフォームならではの違いを把握することで、自社の採用戦略にどちらがより適しているかを明確に判断できるようになります。

アプローチできるユーザー層はどのように違うのか

InstagramとTikTokでは、アプローチしやすいユーザーの年齢層に違いが見られます。Instagramは10代から30代まで幅広い層に利用されており、特に20代の利用者が多いのが特徴です。そのため、第二新卒や若手の中途採用なども含めた幅広いターゲット設定が可能です。

一方、TikTokは10代から20代前半の、いわゆるZ世代が中心的なユーザー層となっています。近年は利用者の年齢層も広がりつつありますが、現時点では特に新卒採用や若年層向けの採用活動で強みを発揮します。自社が採用したい人物像のペルソナを明確にし、その年齢層が多く利用しているプラットフォームはどちらかを判断することが重要です。

効果を発揮しやすいコンテンツ(投稿内容)の違い

効果的なコンテンツの種類も、両者で大きく異なります。Instagramでは、フィード投稿の世界観を統一するための高品質な写真やデザイン性の高い画像、洗練された動画などが評価される傾向にあります。企業のブランドイメージを伝え、求職者に「この会社で働いてみたい」という憧れや共感を抱かせることが目的です。

一方、TikTokでは作り込みすぎない、リアルなコンテンツが好まれます。社員の本当の姿が見えるNGシーンや、流行の音源を使ったコミカルな動画など、エンターテインメント性が高く親しみやすい内容がユーザーの心を掴みます。Instagramが「静」のブランディングなら、TikTokは「動」のコミュニケーションと考えると良いでしょう。

情報がユーザーへ広がる拡散の仕組みの違い

情報がどのようにユーザーへ広がるかという拡散の仕組みも、二つのSNSの大きな違いです。Instagramでの拡散は、主にハッシュタグ検索やフォロワーによるシェア、発見タブへの掲載が起点となります。基本的には、ユーザーが自ら情報を探しに来るか、既存のつながりの中で情報が広がるプル型の側面が強いです。

対してTikTokは、AIがユーザーの好みを分析して「おすすめ」に動画を表示するプッシュ型の拡散がメインです。これにより、フォロワー数に関係なく、コンテンツ自体の力で不特定多数のユーザーにリーチできる可能性があります。有料の広告機能を使わずとも、爆発的な拡散を狙えるのがTikTokの最大の強みと言えます。

【目的別】自社の採用戦略に最適なSNSはどちらか

ここまでInstagramとTikTokの違いを解説してきましたが、最終的にどちらを選ぶべきかは、自社の採用目的によって異なります。「とにかく多くの人に会社を知ってほしい」のか、「企業の魅力を深く理解した上で応募してほしい」のか。

それぞれのSNSが持つ特性やメリット・デメリットを理解し、自社の採用戦略と照らし合わせることで、最適なプラットフォームが見えてきます。ここでは、具体的な目的別にどちらのSNSが適しているかを考えていきましょう。

企業の魅力を深く理解してほしいならInstagram

採用におけるミスマッチを減らし、企業文化に共感する人材からの応募を増やしたいのであれば、Instagramの活用が効果的です。フィード投稿では、写真や動画に加えてキャプションで想いを綴ることで、事業内容や企業理念、社員インタビューといった深い情報を丁寧に伝えられます。

また、ストーリーズのQ&A機能やライブ配信を活用すれば、求職者と双方向のコミュニケーションが生まれ、入社後のイメージをより具体的に持ってもらうことが可能です。時間をかけてアカウントを育て、企業のファンを増やすことで、応募の「質」を高める採用戦略に向いています。

まずは多くの人に会社を知ってもらいたいならTikTok

設立間もない企業や、学生に馴染みの薄いBtoB事業を展開する企業など、採用市場での知名度を向上させたい場合には、TikTokが非常に有効です。その圧倒的な拡散力を利用すれば、従来の採用媒体ではアプローチできなかった層にも、短期間で広く企業の存在を知らせることができます。

トレンドを捉えた面白い動画が「バズ」れば、一気に認知度が向上し、採用サイトへのアクセス増加や応募者数の増加が期待できます。「量」を確保し、採用母集団を形成したいという目的を持つ企業にとって、最適なプラットフォームと言えるでしょう。

募集したい職種から考えるSNSの選び方

募集したい職種の特性によっても、効果的なSNSは異なります。例えば、デザイナーやマーケター、アパレル関連職など、企業のビジュアルセンスや世界観が仕事内容と直結する職種の場合、Instagramでポートフォリオのように実績や雰囲気を伝えるのが効果的です。

一方、営業職や接客業のように、社員の人柄やチームの活気ある雰囲気が魅力となる職種では、TikTokの短い動画でその様子を伝えることで、候補者の興味を引きやすくなります。また、エンジニアなど専門職の採用では、技術的な発信よりも、働きやすさやユニークな社内制度などを紹介し、カルチャーフィットを重視するアプローチが有効です。

採用効果を最大化させるSNSの連携と応募への導線設計

InstagramとTikTokは、どちらか一方を選ぶだけでなく、両者を連携させることで採用効果を最大化できます。TikTokで広く認知を獲得し、Instagramで深く企業理解を促すといった、それぞれの強みを活かした役割分担が可能です。

さらに重要なのが、SNSで興味を持ったユーザーを、実際の「応募」へとスムーズに導くための導線設計です。認知から応募までの一連の流れを戦略的に構築することが、SNS採用を成功させる鍵となります。

InstagramとTikTokを連携させて相乗効果を生む方法

二つのプラットフォームを連携させることで、採用活動に相乗効果が生まれます。例えば、TikTokで広く認知を獲得した後に、プロフィール欄からInstagramアカウントへ誘導し、より詳細な企業情報や社員の様子を見てもらう流れが効果的です。TikTokでは「面白そう」という第一印象を与え、Instagramで事業内容や企業文化への理解を深めてもらうという役割分担ができます。

また、Instagramのライブ配信で実施した会社説明会の一部を切り抜いて、TikTokの短尺動画として投稿すれば、コンテンツを効率的に再利用しつつ、新たな層へアプローチすることも可能です。このように両者を使い分けることで、認知から応募までのスムーズな導線を構築できます。

プロフィール欄を最適化して応募につなげるコツ

SNSのプロフィール欄は、興味を持ったユーザーが次に行動を起こすための重要なハブとなります。そのため、アカウントを一目見ただけで「どんな事業内容の会社」で「どのような情報を発信しているか」が分かるように、簡潔かつ魅力的に記載することが不可欠です。そして最も重要なのが、採用サイトや募集要項、エントリーフォームへのURLリンクを必ず設置することです。「新卒採用エントリーはこちら」「会社説明会の予約はこちら」のように、ユーザーに取ってほしい行動を明確に示すことで、スムーズな応募への誘導が可能になります。

Instagramでは、ストーリーズハイライトに採用情報や福利厚生などをまとめておくのも、効果的な方法の一つです。

まとめ

InstagramとTikTokは、採用活動において異なる役割を担います。Instagramは、ビジュアルを通じて企業文化を伝え、ファンを育成しながらブランディングを確立するのに適しています。一方、TikTokは強力な拡散力を活かして、まだ自社を知らない潜在層へリーチし、認知度を飛躍的に高めることが可能です。

どちらか一方が優れているというわけではなく、自社の採用フェーズやターゲット、目的に応じて最適なプラットフォームを選択、あるいは両者を連携させることが採用成功の鍵となります。

SNSで興味を持った候補者を、最終的に応募へとつなげるためのプロフィール設計や導線の最適化も忘れてはなりません。

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