記事公開日 :  2024/12/04

最終更新日 : 2025/08/18

【福利厚生ニュース】海外留学制度を導入する企業が増加中!導入のメリット・デメリットを解説

【福利厚生ニュース】海外留学制度を導入する企業が増加中!導入のメリット・デメリットを解説

採用市場は今、かつてない競争時代に突入しています。特にミレニアル世代やZ世代の若手求職者は、給与や安定性だけでなく、自己成長を支援してくれる企業文化や制度を重視しています。

その中で注目度を高めているのが「海外留学制度」。
単なる福利厚生にとどまらず、採用力・定着率・企業ブランドの強化に直結する制度です。

本記事では、海外留学制度を採用戦略の武器として活用するために、人事担当者が押さえるべきポイントを解説します。

1. 採用難の今、なぜ海外留学制度が注目されるのか

有効求人倍率が高止まりする中、特に若手・優秀層の獲得競争は激化しています。
マイナビの調査でも、「企業選びの条件」において、成長環境やスキルアップ支援が上位に入る結果が出ています。

海外留学制度は、
・企業の育成姿勢を強くアピールできる
・グローバル志向の学生・若手社員を引き寄せられる
・採用広報の目玉になる
という理由で、多くの企業が採用強化策の一つとして導入を検討しています。

⇩ほかの差別化施策を知りたい方は、こちらの記事で詳しく解説しています。

2. 海外留学制度とは?基本概要と制度タイプ

海外留学制度とは、企業が社員に対して海外での学習や研修の機会を提供し、費用や生活支援を行う福利厚生制度です。
近年は「人材育成」だけでなく、「採用競争力の向上」を目的に導入する企業も増えています。

代表的なタイプは次の3つです。

①大学・大学院派遣型

数年間にわたり海外の教育機関に派遣し、専門知識や学位を取得させるタイプ。
・特徴:高度な専門性を持つ人材を育成できる
・採用効果:「研究開発や企画でスキルを活かしたい」志向の学生に刺さる

②短期研修型

数週間〜数カ月の語学研修や業界研修を海外で実施。比較的低コストで導入可能。
・特徴:多くの社員が参加でき、語学力や国際感覚を底上げできる
・採用効果:「グローバル経験を早く積みたい」若手層の入社動機につながる

③MBA・専門資格取得型

海外ビジネススクールや専門機関に通い、MBAや資格を取得するタイプ。次世代リーダー育成に直結。
・特徴:将来の幹部候補育成に効果的
・採用効果:「経営に関わりたい」「将来リーダーになりたい」志望者を引き寄せやすい

3. 採用担当者が知っておくべき導入メリット

①採用広報での差別化

「グローバル人材育成に投資する企業」というメッセージは、採用サイト・説明会・求人票などあらゆる場面で強力なアピール材料になります。
・例:「社費で海外留学できる制度があります」と打ち出すだけで説明会参加者が増えるケースもある
・大手企業だけでなく、中堅・中小企業が学生の目を引く武器にもなる

②入社動機の明確化

「海外留学制度があるから、この会社を選びたい」という具体的な志望動機を形成できるのも大きな効果。
・特にZ世代は「学びの場」を求める傾向が強い
・面接で「将来はこの制度を活用してキャリアアップしたい」と語る候補者が増える
内定承諾率を上げる要素になる

③定着率の向上

企業から成長支援を受けた社員は、会社への感謝・帰属意識が強まるため、離職リスクが下がります。
・留学から帰国した社員は「期待されている」と感じ、長期的に会社へ貢献する傾向がある
・人材の流出が課題の中小企業にとっても、社員のロイヤリティを高める手段となる

④長期的な人材投資

海外経験を持つ社員は、将来的に海外展開や新規事業の推進役として活躍する可能性が高いです。
・海外顧客やパートナーとの交渉で即戦力になる
・経営層候補としても育成できる
→単なる「コスト」ではなく、中長期の人材投資と捉えることで経営層への説明材料にもなる

⇩Z世代に響く採用施策については、こちらの記事で詳しく解説しています。

4. 制度導入の落とし穴と課題

①帰国後の人材活用不足

海外で学んだスキルや語学力が、配属先の業務と噛み合わないケースがあります。
例:「MBAを取得したのに、帰国後は従来業務に逆戻り」
→社員のモチベーション低下や離職の原因に直結します。

②一時的な人員不足

留学者の不在を想定せずに送り出すと、現場に負担が集中します。
特に中小企業や特定社員に依存している職場では、業務停滞やチーム不満の火種になりがちです。

③経営層の理解不足

留学制度は短期的には「コスト」と見なされがち。
「せっかく投資しても辞められたらどうするのか?」
「即戦力が抜けたら現場が困る」
といった懸念から導入にブレーキがかかる場合があります。



海外留学制度バナー02.jpg

5. 課題を解決するための運用ポイント

①留学前の引き継ぎ計画と代替要員確保

・業務フローを整理し、代行できるメンバーを明確化する
・外部人材の一時登用やジョブローテーションを活用

②帰国後のキャリアプラン設計

・留学前に「帰国後の配置先・役割・評価基準」を提示
・海外経験を活かせるプロジェクトや部署をあらかじめ用意

③成果共有の場づくり

・留学前に「帰国後の配置先・役割・評価基準」を提示
・海外経験を活かせるプロジェクトや部署をあらかじめ用意

④帰国後のキャリアプラン設計

・社内研修や帰国報告会を実施し、学びを社内全体に還元
・「制度を使った社員=組織に貢献している」という見え方を作る

6. 他社の成功事例と採用への効果

株式会社ヤクルト本社「国際塾」

・目的別研修や英語プレゼンを組み込んだ全6回のプログラム
・帰国後も個別面談でキャリアを支援
結果:若手の離職率低下と海外業務への円滑な配置に成功

サントリーホールディングス「MBA留学制度」

・社費でMBA取得や海外派遣を支援
・採用広報でも「グローバル人材育成企業」として打ち出し
結果:志望者数増加・経営幹部候補の育成に直結

7. 導入ステップ:経営提案から運用まで

① 目的定義(採用強化・人材育成・離職防止)」

まずは「なぜ導入するのか」を明確にします。
・採用競争力を高めたいのか
・グローバル人材を育成したいのか
・離職防止・定着率改善を狙うのか
目的によって制度設計が大きく変わるため、経営層・人事・現場で合意形成を図ることが不可欠です。

② 制度設計(対象者・期間・費用・義務年数)

制度設計では、以下の要素を明文化します。
対象者:新卒・若手限定か、幹部候補か
期間:短期研修(数週間)からMBA(1〜2年)まで幅広い
費用:全額会社負担か、一部自己負担か
義務年数:帰国後「最低3年勤務」などのルール設定
→ 費用とリターンのバランスを設計することが、経営層の合意を得るカギになります。

③ 経営層への提案(採用効果や他社事例を提示)

経営層は「短期的コスト」を気にしがちです。説得には以下が有効。
・他社の成功事例(例:ヤクルトやサントリーの導入効果)
・採用データ(「福利厚生が入社理由に影響した」割合など)
・定着率改善の実例
→ 単なる「福利厚生」ではなく、「経営に資する人材投資」として提示するのが重要です。

④ 運用準備(引き継ぎ・代替要員・帰国後の活用計画)

制度は導入だけでなく、運用フェーズで差が出ます
・留学前に引き継ぎ計画を作り、業務停滞を防止
・留学中は定期的に進捗を共有し、孤立を防ぐ
・帰国後は海外経験を活かせるプロジェクトや役割を用意
「行かせっぱなし」にしない仕組みが定着率と投資効果を左右します。

⑤ 広報活用(採用サイト・説明会で「グローバル人材育成」をPR)

制度は「導入して終わり」ではありません。採用広報に活かすことが最大の武器になります。
・採用サイトに「海外留学支援制度あり」と明記
・内定者フォローや会社説明会で「実際の体験談」を紹介
・SNS・オウンドメディアで「海外で学ぶ社員の声」を発信
「この会社なら成長できる」と候補者に思わせる仕掛けが、制度の価値を最大化します。

8. まとめ:海外留学制度は採用競争を勝ち抜く武器

海外留学制度は、単なる福利厚生ではなく、
「採用力の強化」「社員の定着」「企業ブランド向上」のトリプル効果を持つ戦略的施策です。

採用に苦戦している企業こそ、「投資」として導入を検討する価値が高いといえるでしょう。

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